コロナウイルスへの“神対応”連発で支持率が爆上げしていることが報じられた、台湾の唐鳳(オードリータン)大臣。
IQ180の天才、トランスジェンダー、最年少閣僚、という何やら経歴もすごそうな人物です。
そこで今回は、唐鳳(オードリータン)氏の生い立ちやこれまでの経歴、そしてIQや性別に関する話題をお届けしていきたいと思います!
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣のプロフィール

- 名前:唐鳳(とう・ほう、タン・フォン)
- 英語名:Audrey Tang(オードリー・タン)
- 生年月日:1981年4月18日
- 出身地:中華民国台北市、行政院政務委員
- 職業:フリーソフトウェアプログラマー
旧名は唐宗漢(とう・そうかん、タン・ツォンハン、英語名:Autrijus Tang)。
「台湾のコンピューター界における偉大な10人の中の1人」と言われている人物です。
日本でいう「IT担当大臣」と同じ位置付けの、台湾のデジタル担当の閣僚に就任しています。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣のIQが180って本当?
東森電視のニュースチャンネルで「IQが180以上」と報じられた唐鳳氏。
その事実確認についての質問については、こう回答しています。
大人になってからのIQについて議論することに意味はありません。
それに、IQ試験の時、携帯電話を持ち込めば、誰でも160くらいは簡単に取れてしまいます。
デジタル機器をうまく使えれば、大人も子どもも関係なく、仕事を有意義にできると思います。
ちなみに、私の身長は180センチです。
事実はどうかは不明ですが、IQという数字に何も意味がないことを語っています。
最後はユーモアで締めているあたりに彼女の柔和な人柄が出ていますね。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣の学歴&経歴
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣の学歴
唐鳳氏の学歴は、なんと中卒です。

唐光華・李雅卿夫妻(ともにジャーナリスト)の子供として生まれた唐鳳氏。
幼い頃からコンピューターに興味を示していたそうです。
子供時代の出来事は以下の通りです。
- 小学1年生:連立方程式(日本では中学2年生で習う)を解く
- 8歳:コンピュータープログラミングに興味を持ち始める
- 9歳頃:独学でコンピューターのプログラムを書いていた
- 12歳:プログラミング言語のPerlを学び始める
- 14歳:中学を中退、ドイツ留学へ
同年齢の子どもより早熟で能力も早く向上したため、かえって学校の授業についていけなかったという唐鳳氏。
両親も学校に頼らない独学による教育を研究し、『自分で勉強する』という子どもの言い分を支持することにしたそうです。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣の経歴
中学を卒業してドイツへ渡った唐鳳氏。
その後の経歴は以下の通りです。
- 16歳:起業
- 19歳:シリコンバレーでソフトウェア会社を立ち上げ
- プログラミング言語「パール6(Perl 6)」を開発
- BenQ(ベンキュー)やアップルの顧問に就任
- 37歳:2019年1月、アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』の2019年のグローバル思想家100人に選出
唐鳳氏は、HaskellコミュニティーとPerlコミュニティーによるRaku処理系の実装のための共同プロジェクトであるPugsの創始者兼主要開発者としても知られています。
世界的に使われているオープンソースのプラグラミング言語の発展に寄与し「IT産業では誰もが注目する天才」として認められるようになりました。
これだけ見ても、台湾のIT業界においては欠かせない人物だと分かりますね。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣の政治経歴
近年は公益事業に身を投じていた唐鳳氏。
政府の情報を透明化させる「g0v零時政府」のハッカーでもあった経歴を買われ、2016年8月に林全内閣の政務委員に任命されました。
2016年10月1日に、35歳の若さで台湾の行政院(日本の内閣相当)に入閣。
無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)として大臣級の政務委員を務め、主にデジタルを担当しています。
35歳での閣僚就任は台湾史上最年少です。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣はトランスジェンダー
唐鳳氏は、トランスジェンダーであることでも知られています。
幼い頃から自身の性自認が女性であることを自覚していた唐鳳氏。
2005年、24歳の時に外見と自己意識を一致させるために、名前を変更するなどの女性への性転換を開始しました。
その際にブログではこんなコメントをされています。
私の脳は私が女性であると認識しているのに、社会的にはそうでないことが要求されるので、私は長年に渡って現実世界を遮断し、ネット上で生活をしてきました。
また、ご両親についても息子が娘になるという選択に反対せず、むしろ応援していたと言います。
母親:彼がそうしたいと言うのなら、同意しない理由がない
父親:性転換して今より幸せになれるのなら、妻と一緒に支持する
唐氏:過去、現在、そして未来に、皆さんが私に女性的な呼び方で呼んでくれれば嬉しい
ご家族の理解が、性転換を後押ししてくれたことは間違いないですね。
長年IT社会で活躍してきた唐鳳氏。
性転換開始前は男性的な見た目でした。


見た目が男性=男性である、などと周囲から本当の自分と違う性を押し付けられたことは相当なプレッシャーになっていたことでしょう。

自分の望む姿になれたことで、より一層輝いているように見えますね!
また、唐鳳氏は個人のサイトで市民からの質問にも回答していますのが、自身の性に関する質問にはこう答えています。
Q.パートナーがいますか。男性が好き?女性が好き?あるいは両方?(2016年9月24日)
A.質問ありがとう。
人を好きになるのは、相手の心の価値にひかれるかどうかが大事です。
だから、特定の身分、役割、ラベルは関係ありません。
パートナーがいるかどうか、という質問の答えは『有感情(パートナーがいる)』です。
この質問はとてもプライベートなことなので…答えはここまでです。
誠実で真摯な回答ですね。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣のマスク問題への対策
今回のコロナウイルス問題について、唐鳳氏が行った対策をまとめてみました。
- マスクの輸出や持ち出し、転売を禁止する
- マスクの購入を実名制にする
- マスクを7日間で2枚しか買えないようにする
- 台湾国内の薬局にあるマスクの在庫データをインターネット上に公開する
- LINEなどでデマ情報を信じないように注意喚起のメールを配信する
- タクシー運転手やバス運転手にマスクが優先的に届くように求める情報を発信する
- 国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客について、下船してから訪れた場所をすべて公開する
自身の得意分野を活かして次々と画期的なアイデアを出し続ける唐鳳氏には、世界中から関心が寄せられています。
台湾の唐鳳(オードリータン)大臣の経歴まとめ
- 8歳:コンピュータープログラミングに興味を持ち始める
- 12歳:Perlを学び始める
- 14歳:中学を中退
- 16歳:起業
- 19歳:シリコンバレーでソフトウェア会社を起業
- 2005年(24歳):外見と自己意識を一致させるために、名前を変更するなどの女性への性転換を開始
- 2016年8月(35歳):林全内閣の政務委員に任命
- 2016年10月(35歳):デジタル担当の政務委員に就任(台湾史上最年少での閣僚就任)
- 2019年1月(37歳):アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』の2019年のグローバル思想家100人に選出
彼女の理念の1つには「Radical Transparency」(徹底的な透明性)というものがあります。
公開できる、あらゆる情報がインターネット上にあることで、政府の官僚や大臣が何をやっているのか、何を考えているのかを全部知ることができ、人々が「国家の主人」になれるというビジョンを掲げているそうです。
この理念をもとに今後も台湾のIT分野、そして政治変えてくれることでしょう。