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映画

劇場版 名探偵コナン まとめ

名探偵コナン

劇場版まとめ

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

1997年4月19日公開 興行収入11億円

ある日の夜、黒川邸で主人の黒川大造が何者かに殺害されるという事件が起こった。現場の状況から黒川家の中に犯人がいるとされ、探偵の毛利小五郎は後妻を犯人と推理するが、ダジャレで犯人にするのかと詰め寄られてしまう。それを見かねた江戸川コナンは、時計型麻酔銃を使って毛利を眠らせ、「眠りの小五郎」として自らの推理を披露し、事件は無事に解決した。彼こそ高校生探偵として有名であった工藤新一であり、現在は迷宮なしの小学生名探偵として活躍する本作の主人公である。コナンは自分の体を小さくした黒の組織を追うために、小五郎の立場を利用して情報を集めていた。

数日後の4月26日(土曜日)、高名な建築家である森谷帝二から工藤新一宛にパーティーの招待状が届いた。しかし、新一は体が縮んでしまってコナンになっているため、コナンは小五郎を代理人として、幼馴染で小五郎の一人娘である毛利蘭と共にパーティーに出席する。そこで開催されたクイズに正解し、ギャラリーに案内されたコナンと蘭は、殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。また、蘭は新一の誕生日に2人で映画を見に行く約束をしていることを森谷に伝えるが、行くことができないコナンはどうするべきかと思案する。

新一の誕生日前日の5月3日(土曜日)、コナンは火薬庫からプラスチック爆弾用の爆薬が何者かに盗み出され、黒川邸など4件の邸宅が相次いで放火されるという事件のニュースを見ていた。その時、新一宛てに爆破予告の電話がかかって来る。電話の主は、爆弾を盗み出したのは自分であり、早くしないと子供たちが危険だと宣告する。それを聞いたコナンは爆破を防ぐため、急いで堤向津川緑地公園へ向かう。

堤向津川緑地公園に着いたコナンは、ラジコン飛行機で遊ぶ少年探偵団の3人を見つける。知らない男からラジコン飛行機を貰ったという話を聞いたコナンは、ラジコン飛行機にプラスチック爆弾が装備されている事に気付きリモコンを奪うが、その拍子にリモコンが壊れて操作不能に陥ってしまう。コナンは咄嗟の判断でラジコン飛行機に向かってリモコンを蹴り、爆弾を上空で爆発させることに成功する。しかし、犯人は近くのビルからその様子を見ており、電話で次なる犯行を予告する。

次の犯行場所として宣告された米花駅前に向かったコナンは、ファストフード店の2階から駅前の様子を窺い見る。その時、老婆が捨て猫をキャリーバッグと共に持ち去る様子を見たコナンは、キャリーバッグにプラスチック爆弾が仕掛けられていると推理し、必死で止めようとする。しかし老婆はタクシーに乗り込んでしまい、コナンはターボエンジン付きスケートボードを使って追い掛けることになる。が、途中でスケボーが破損してしまったため、止む無く近くに居た少年の自転車を奪い、追い掛ける。何とかタクシーに追い付いたコナンは、キャリーバッグを老婆から奪って、人気のない場所へ持って行こうと自転車に載せて近くの河川敷へ向かう。間一髪で爆弾を人気のない場所で処理することには成功したコナンだったが、爆風の影響で木にぶつかって負傷し、緑台警察病院へ緊急搬送され、病院で手当てを受けることになる。

病室では目暮警部らが、今回の犯人は新一を指名して脅迫している事から、彼に恨みを持つ者の犯行と見て、過去に新一が解決した事件の中で最も注目を集めた、西多摩市長が逮捕されたOLひき逃げ事件を挙げていた。この事件はOLを轢いた車の運転手として警察が市長の息子を逮捕した事に新一が異を唱え、真犯人が市長自身である事を突き止めたものである。これにより、市長の進めていた西多摩市の新たな都市開発計画は頓挫することとなった。

そんな折、犯人から電話で「東都鉄道の東都環状線に5つの爆弾を仕掛けた。その爆弾は列車が時速60km未満で走行した場合か、日没までに取り除かなかった場合に爆発する。仕掛けた場所のヒントは『××の×』で、×は漢字一文字だ」と伝えられる。目暮はすぐに東都鉄道へ連絡し、連絡を受けた東都鉄道の司令員もすぐに全車両をノンストップで時速70km走行を維持するよう緊急司令を出した。小五郎や目暮は「××の×」と言う犯人からのヒントに対し、「座席の下」「網棚の上」「車体の下」と言った場所を思い付くが、日没までに取り除かなければ爆発すると言う仕掛けに注目したコナンが、「線路の間」であることを突き止める。芝浜駅貨物線に環状線の列車を退避させた上で無事5つ全ての爆弾を発見、一同は安堵する。

一同が今回の事件の犯人について話し合う中、コナンの助言によって、放火事件が全て森谷帝二の設計した建築物を標的としていることが判明し、爆弾事件も東都環状線の爆弾の1つが同じく森谷の設計である橋の上に仕掛けられていたことから、同一犯の可能性が浮上した。急いで森谷邸へ向かった一同は、森谷本人に自身を恨んでいる人物に心当たりはないか尋ねるが、そのような人物に心当たりはないと返される。こっそり森谷邸を見て回っていたコナンは、西多摩市の都市開発計画を森谷が主導していた事実を知り、新一の声で一同をギャラリーに集めると、情況証拠とハッタリを用いて森谷自身が犯人であることを暴く。森谷は若き日より建築家として活躍していたが、その時の作品には法的問題や建築主の注文などによって自身の意図しないものとなったものも含まれており、建築家としてのプライドからその作品を抹殺したいと考えていた。そんな時に新一の活躍で西多摩市長が逮捕されたことにより自身が主導していた都市開発計画が頓挫した結果、森谷は新一を逆恨みし、若手時代の作品の抹殺と新一への復讐を目的に今回の事件を引き起こしたのだった。

森谷は目暮と白鳥によって現行犯逮捕されるが、「私が抹殺したかった建物はもう一つある」と、犯行がこれで終わりでないことを告げる。そして最後の標的が、森谷が建築に携わるもバブル崩壊による予算カットにより意図しない形で完成した米花シティービルである事をコナンたちは知る。そこの映画館には蘭が新一の誕生日祝いのために来ていたのだが、爆弾の爆発に巻き込まれてしまう。コナンは森谷から奪い取った爆弾の設計図を持って急いで米花シティービルへ向かうが、既に米花シティービルの各所では森谷の仕掛けた爆弾が次々と起爆して火災が発生しており、一刻の猶予も許されなかった。

米花シティービルに着いたコナンは、蘭のいる映画館のロビー前までは何とか辿り着いた。蘭は無事だったのものの、ロビーのドアが爆発の影響で歪んでしまったためコナンは中に入れず、また蘭や他に無事だった人々も中に取り残されていた。コナンはその場で新一の声を使い、爆弾を見付けた蘭に対して爆弾の解体を指示する。解体作業は順調に進み、最後に赤と青2本の導線が残るが、その2本の導線は設計図に記載されていなかった。究極の2択を迫られたコナンは、どちらを切るかについて蘭に一任することに決める。

爆発の時刻が迫り、目暮らは諦めかけて森谷はほくそ笑むが、蘭が青の導線を切って爆弾を解体できたことから爆発は起こらず、ビル内に閉じ込められていた全員が助かった。最後は、コナンが蘭に青の導線を切った理由を尋ねるシーンで終幕を迎える。

名探偵コナン 14番目の標的

1998年4月18日公開 興行収入18億5000万円

湖のほとりで母の妃英理を見付けた蘭は、思わず彼女のそばへ駆け寄ろうとするが、英理は大声で蘭を止める。するとどこからともなく銃声が聞こえ、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢を見た蘭は、不安から英理に電話をかける。それを笑う英理だったが、蘭が夢の中の母が今より少し若く見えたことを伝えると、表情を曇らせる。

一方、コナンは少年探偵団と航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間に歩美は占いゲームでコナンの恋を占う。表示された「Aの予感」にコナンは困惑する(Aはキスを意味する古い隠語)。

1週間後、公園にてジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が発生。現場には紙で作られた西洋の短剣らしきものが残された。また、英理は自身の法律事務所に送られてきたチョコレートに毒が仕込まれており、命に別状こそなかったものの、入院を余儀なくされる。事務所の郵便受けには紙製の花が入っていた。さらには、阿笠家にて阿笠がバイク上の何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが取り逃してしまい、現場には剣のようなものが残されていた。

コナンは数々の遺留品から、これらの襲撃事件がトランプの札に倣って名前に「十三」から「一」までが入る人間が順に襲われていることと、その犯行が小五郎に関連した人物を狙っていることを突き止める。目暮はその情報から、仮出所したばかりの村上丈を犯人だと考えた。コナンと蘭は白鳥刑事から、かつて取り調べから逃げようとした村上が英理を人質にとり、小五郎が拳銃を発砲したが、その弾丸が英理の足をかすめたことがあったと聞く。村上の確保には成功したものの、人質にかまわず発砲したことが問題となり、ほどなく小五郎は警察を退職したのであった。蘭はこの事件が両親の別居に至った原因であると考え、新一の声で電話をしてきたコナンに小五郎への信頼が揺らいだことを訴えるが、コナンは「小五郎が英理を撃ったのは事実でも、それが真実とは限らないのではないか」と諭す。

目暮は「十」のつくプロゴルファー・辻弘樹に事件のことを知らせ、忠告するが、辻はヘリコプターのフライトを止めようとしない。仕方なく小五郎と目暮も同乗することを条件にフライトの許可を出し、コナンもひそかに同乗する。やがて、米花町上空を飛行中に辻が目の不調を訴え、ヘリは墜落の危機に陥る。コナンの助けを借りての不時着によって惨事こそ免れたものの、辻は次の大会を欠場することとなった。原因は辻がフライト前に使用する目薬が散瞳剤にすり替えられていたことであった。さらにスペードの10のカードが発見される。

小五郎が「九」のつく知人に心当たりがなかったため、「八」の標的たりうる、ソムリエの沢木公平を訪ねる。沢木はレストランを任せてもいいという打診を受け、新たに開業する海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこのオーナーとして、「九」のつく旭勝義の名前を目にする。小五郎は旭とも面識があったものの、些細な依頼を受けた程度に過ぎず、知人ではなかった。しかし、犯人もそう考えるかは不明であり、沢木を護衛する必要もあったことから、コナンたちも同行する。

現地に到着した一行は、他の招待客である小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと出会い、彼らもそれぞれ名前に「七」、「二」、「六」、「四」の数字を持っていた。さらに白鳥の名前に「三」が入っていることと、「一」はここにはいない工藤新一ではないかという推測も語られる。招待客に事情を説明して村上との関係を聞いたところ、仁科と宍戸は仕事で村上に取材した経験を語る。奈々は3か月前、接触こそなかったもののバイクの運転手を転倒させる自動車事故を起こして逃走していたが、そのことを黙っていた。

旭が不在の中、奈々が旭から贈られたマニキュアでワインのコルクに落書きをして遊んでいると、フォードが足元に旭名義で沢木宛のメモを見つける。そのメモに従って赴いたワインセラーにはブービートラップが仕掛けられており、ボウガンが発射される。気付いたコナンが叫び、沢木が避けたため命中はしなかったが、村上の存在を確信した一行は脱出を決意する。

しかし、建物は入口も非常口も塞がれていたうえ、一行は海中を漂う旭の遺体を発見する。コナン以外の男性陣が手分けして脱出口を探していると、建物の電気が落とされ、マニキュアに仕込まれていた夜光塗料を目印に奈々が刺殺される。遺体から右利きの人間による犯行と判断したコナンは、阿笠の襲撃犯も右利きだったが村上は左利きだったことに気付き、一連の事件の犯人が村上ではなく招待客の中にいると確信する。さらに電気が落とされた際、犯人が床に置いたジュース缶を蹴り飛ばしていたことから、衣服の裾についた染みによって犯人を特定する。一行にミネラルウォーターを配ることで犯行の動機を確認したコナンは、犯人を追い詰めるための証拠を探し、発見する。

ところがそこで爆発が起こって海水が流入し、一行のいる海中レストランが水没する。泳げない仁科は小五郎が助けるが、蘭だけが浮上してこない。コナンがペットボトルに空気を入れて潜ると、蘭は展示中の自動車に足を挟まれ、抜け出せずにいた。コナンはペットボトルの空気で蘭の窮地を救うが、自身も足を挟まれてしまう。窒息しかけたところへ蘭が口づけをし、今度はコナンへ直接空気を渡す。それによって息を吹き返したコナンは、なんとか足を引き抜き、改めて蘭を救う。

一行は爆破された箇所から泳いで外へ脱出するが、仁科が溺れてしまう。沢木が人工呼吸を買って出るが、コナンは小五郎の声で白鳥がやるように命じ、小五郎を眠らせて推理ショーを始める。犯行は、自身や標的の名前に数字が入っていると気付いた犯人が村上の経歴などを利用して起こしたもので、目暮たちを襲ったのはカモフラージュであり、真の標的は辻や旭、奈々だったうえ、犯人が人工呼吸を装って仁科を窒息死させるつもりだったことも明かし、それらの真犯人として沢木を挙げる。証拠として、奈々を襲撃した際に紛れ込んだ彼女の落書き入りのコルクをポケットから出させ、さらに新一のカードであるスペードのエースを持っていることを指摘された沢木はエースを出し、犯行を認める。

動機は味覚障害であり、沢木が唐辛子を味見していたところを目撃していたコナンは、沢木のミネラルウォーターにだけ塩を混ぜてそのことを確かめていた。奈々が誘発した交通事故に遭った沢木はまもなく味覚障害を発症しており、視覚と嗅覚で仕事をこなすも矜持から引退を決意したうえ、医者に事故だけでなくストレスが原因の可能性もあると言われたため、奈々と合わせてストレスの原因となった仁科、旭、辻への復讐を決意すると、小五郎と不在で会えなかった村上との遭遇を機に彼の利用を考え、まもなく殺害していた。なお、宍戸とフォードは単なる数合わせに過ぎず、特にフォードにおいては小五郎や村上とも無関係であった。

目暮たちは沢木の逮捕に動くが、さらに爆弾を爆発させた彼は、衰弱によって抵抗できない蘭を人質にとり、ヘリポートへの逃走を図る。建物の全壊が始まり、目を覚ました小五郎、コナン、目暮、白鳥は宍戸たちを避難させ、沢木を追う。崩落の危険と、武器を持って人質を取る沢木の存在からヘリコプターが着陸せず、立ち往生していた沢木のもとへコナンたちが追いつき、白鳥が拳銃を構えるが、腕に自信のない彼は発砲できない。

沢木は、これから再度辻の殺害に向かい、その後蘭を道連れにして死ぬと笑い、白鳥の拳銃をコナンを介して自身に渡すよう要求する。窮地の蘭に拳銃を構えたコナンは、かつて小五郎が英理に発砲した真意を悟り、同じ行動を起こす。足を怪我した人質は逃走の障害にしかならないため、小五郎はわざと英理の足を撃ったのだった。コナンの姿に新一の面影を見た蘭、誤解していた白鳥もこの「真実」に思い至る。

目暮が沢木を拘束しようとしたところで建物がさらに崩壊し、沢木が海へ落下しかける。目暮の手に支えられた沢木は手を離せと死を望むが、小五郎に手を掴まれて責められ、救出を経て目暮に拘束された。救急車で搬送される蘭は沢木の持っていたスペードのエースを握りしめ、「新一が守ってくれたのかもしれない」と語るが、それを聞いたコナンは「エース」=「A」=「キス」によって助けられたのは自分であることを実感するのだった。

名探偵コナン 世紀末の魔術師

1999年4月17日公開 興行収入26億円

鈴木財閥の蔵からロマノフ王朝の遺産、「メモリーズ・エッグ」と呼ばれる51個めの「インペリアル・イースター・エッグ」が見つかったため大阪で展示することとなり、怪盗キッドからエッグを盗み出すという、暗号による予告状が届いた。警察は日付を8月22日から23日にかけての夜、大阪城からキッドが現れると読解し、小五郎は具体的な時刻を午前3時とした。 コナンたちや服部平次、遠山和葉らが鈴木財閥の会長のもとを訪れると、ロシア大使館一等書記官のセルゲイ・オフチンニコフ、美術商の乾将一、ロマノフ王朝研究家の中国人・浦思青蘭、映像作家の寒川竜がおり、彼らはみなエッグを狙っていた。 コナンと平次は、キッドの予告した時刻が実際は午後7時20分で、場所は通天閣であることにその直前になってから気付く。中森警部は偽物のエッグを展示室へ移し、限られた人間だけで本物のエッグをあるビルの一室で警備していたが、キッドは鳩に取り付けたカメラからそのことを知り、街中を停電にして、病院やホテルなど以外で自家発電が稼働する場所を探すことによって位置を特定し、エッグを盗み出した。 キッドを追跡する途中、平次はバイクで転倒してしまい、無事だったコナンだけで追跡を続けるが、コナンは負傷した鳩とエッグ、破損したキッドのモノクルを発見する。キッドは撃たれて海に落ちたものと思われたが、キッドの生死は確認できなかった。

エッグは傷がついていないか調べるため、展示を中止し鈴木財閥の船で東京へ持ち帰ることとなった。 船にはコナンやセルゲイたちの他、パティシエの香坂夏美が同乗していた。彼女はエッグ製作者の工房で働いていた香坂喜市という男の曾孫であり、喜市が描いたと思われる図面がメモリーズ・エッグの写真と違うというので、執事の沢部蔵之助を伴って財閥を訪れていたのだった。その図面には2つのエッグが描かれていたことがわかり、さらに鈴木財閥の所有するエッグにはめ込まれていた鏡は魔鏡となっていて、ドイツ風の城が映し出された。これは喜市が横須賀に建てた城であり、小五郎はそこに2つ目のエッグが隠されていると推理し、コナンやセルゲイたちもそこへ同行することに決まるが、寒川が右目を撃たれ、死んでいるのが発見される。彼の部屋は荒らされており、彼が見せびらかすように身につけていたニコライ二世の娘、マリアの指輪や、撮影したビデオテープがなくなっていた。寒川の部屋から鈴木会長の秘書、西野真人のボールペンが発見され、西野の部屋に指輪が隠されていたが、コナンは西野が羽毛アレルギーであることを指摘し、寒川の部屋の羽毛枕が切り裂かれていたことから疑いを晴らし、阿笠博士に調べてもらった情報から、ロマノフ王朝の遺産を専門に狙い、常に右目を撃つ強盗・スコーピオンが犯人であると指摘する。西野に恨みを持つ寒川が彼を指輪泥棒に仕立て上げようとしたものと、スコーピオンの正体を示すなにかを撮影してしまった寒川が襲われたものの、2つの事件が重なっていたのだった。

捜査のため船へやってきた白鳥刑事も交え、城へやって来たコナンたちは地下室への入口を見つけ、ロシア語で「世紀末の魔術師」という意味のパスワードを入力して中へ進入する。これはかつて喜市が呼ばれていた異名で、キッドも予告状にこの文句を使っていた。 地下の奥にはロシア皇帝の紋章に光を当てると道が現れる仕掛けがあり、更に先へ進むと桐で作られた西洋風の棺があった。中身はもう1つのエッグと遺骨であり、これは夏美の曾祖母にあたる、喜市のロシア人であった妻であると思われた。 もう1つのエッグは空であり、鈴木財閥のエッグを入れることが出来るようになっていた。白鳥が鈴木会長から借りてきていたエッグを入れて、下から光を当てると周囲にニコライ皇帝一家の写真が浮かび上がる。その中には一切写真が残っていなかった、夏美の曾祖母が喜市とともに写っているものもあり、夏美やマリアによく似ていた。 セルゲイは夏美が持つにふさわしいとして、ロシアが鈴木財閥のエッグの所有権を放棄することを宣言し、小五郎もエッグを夏美に譲るよう鈴木会長に口添えする約束をしたところで、小五郎がスコーピオンに狙われ、スコーピオンはエッグを奪って逃げてしまう。 コナンは途中で射殺された乾を見つけつつもスコーピオンを追い、スコーピオンが城へ放火したところで、コナンは殺された寒川や乾のものを含む、色々な人物の声でスコーピオンの正体である青蘭を翻弄する。彼女は本当はロシア人であり、浦思青蘭の中国語読み、「プース・チンラン」は「ラスプーチン」のアナグラムで、彼の末裔だった。青蘭はロマノフ王朝の財宝は本来、皇帝一家と縁深かったラスプーチンのものになるはずだったと考えており、寒川を殺害した理由は飾っていたラスプーチンの写真を撮られたと思ったため、小五郎を襲ったのはラスプーチンを「世紀の大悪党」と評したためである。 コナンは拳銃に装填された最後の一発を撃つよう挑発するが、右目を狙った弾は眼鏡に弾かれる。青蘭は弾倉を交換し再度撃とうとするもキッドのトランプ銃に阻まれ、コナンはキック力増強シューズで青蘭を気絶させる。

事件解決後、探偵事務所に戻ったコナンは、限界を感じて蘭に自分の正体を明かそうとするが、そこへ新一に変装したキッドが現れる。コナンたちの会った白鳥刑事はキッドの変装であり、彼はエッグを夏美に返そうと画策していたのだった。 コナンはキッドに、夏美の曾祖母とはマリアであり、彼女の遺体が見つかっていないのは喜市に助けられ日本へ逃れたためで、香坂家の城がドイツ風だったのは彼女の母親がドイツ人だったため、という推理を語るが、キッドは「世の中には謎のままにしておいたほうがいいこともある」と語り、コナンも同意する。 キッドはコナンや蘭が保護していた鳩とともに去る直前、「何故自分が新一の姿で蘭の前に現れ、厄介な敵であるコナンを助けたのか」という謎をかけるが、コナンは「そんなものは謎でもなんでもない、鳩を手当した礼だろう」と、心の中でキッドに呼びかけるのだった。

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者

2000年4月22日公開 興行収入25億円

ある雨の日、江戸川コナンや少年探偵団は、奈良沢治警部補が拳銃で撃たれたのを目撃する。コナンに犯人を尋ねられた奈良沢が自分の左胸を掴んで死亡したことに加え、犯人が右手で傘を持っていたという証言から、目暮警部らは犯人が左利きであると推理し、奈良沢の行動については懐中の警察手帳を示したものと解釈する。その日の夜、マンションの地下駐車場では芝陽一郎巡査部長が射殺される。毛利小五郎はその事件について目暮に電話するが、情報の提供を拒まれる。

そんな中、白鳥警部の妹である沙羅の結婚を祝う会が開催され、コナン・毛利蘭・小五郎は妃英理とともに出席する。ホテルに設けられたパーティー会場には、小五郎の刑事時代の上司・小田切敏郎警視長をはじめとする警察官や、敏郎の息子でミュージシャンの小田切敏也、白鳥の主治医も務める心療科医師である風戸京介らの姿があった。コナンと小五郎は、高木刑事から芝も警察手帳を握って死んでいたことを聞き出すが、白鳥に「Need not to know」(知る必要の無いこと)という警察関係者の隠語を言われ、これ以上の詮索は止めるように促される。このことから、コナンは今回の事件には警察の上層部、あるいは警察組織全体が関与している疑いがあることを知る。

蘭と佐藤刑事がトイレに行くと、パーティー会場の階だけが停電する。化粧台の物入れ内に点灯した状態の懐中電灯を発見した蘭はそれを取り出すが、その光を頼りに佐藤が銃撃され、蘭も気絶する。蘭と佐藤は病院に緊急搬送され、ホテルの全出入口が封鎖されるが、警察官を含む現場にいた全員から硝煙反応が出ず、コナンがパーティー会場で見かけた友成真と仁野環は、封鎖前に姿を消していた。

佐藤は重傷で命が危ぶまれ、蘭は外傷こそなかったものの記憶喪失を発症し、自分の名前すら思い出せない状態に陥る。蘭の記憶喪失が佐藤への銃撃の原因を作った責任を感じたためであることを知った目暮は、免職を覚悟で小五郎たちに捜査情報を話すことを決める。

昨年の夏、外科医である仁野保が死亡した事件を、友成信勝という警部が奈良沢や芝、佐藤と共に捜査しており、保が口論していたという男性の近所への張り込みに赴くが、その最中に信勝は心臓発作を起こし、奈良沢たちが救急車を呼ぼうとしたものの信勝は張り込み中であることを理由に拒んだ末、佐藤に連れられて病院へ行くも死亡した。一方、奈良沢と芝はその男性が敏也であることを知った。元々自殺の線が濃く、信勝の急死も重なって事件は自殺と断定されるが、保の妹である環は自殺を否定しており、信勝の息子である真は父の真意にかかわらず警察に恨みを持っていた。

奈良沢、芝、佐藤は独自にこの事件の再捜査をしていた。目暮たちはこれが今回の事件に関係があると見ており、真がその各現場付近で目撃されたうえに左利きだったことから、彼を指名手配する。また、保の死が他殺であるのならその犯人も左利きであるが、保と真に繋がりがないことから、左利きの敏也や敏郎がその容疑者として浮上する。

蘭の周辺に何者かの気配を感じたコナンは、蘭が犯人を見ていて命を狙われることを懸念し、高木と千葉刑事が交代で護衛に就くが、蘭は英理やコナンたちと買い物に出た際、高木の隙を突いた何者かによって線路へ突き落とされる。コナンに命懸けで救われた蘭はかすり傷程度で済むが、こちらから攻める必要性を感じたコナンは本格的に捜査を開始する。

パーティー会場に置かれていた傘を見て硝煙反応を出さずに銃を撃つトリックを見抜いたコナンは、敏也のいるライブハウスを訪ね、そこにいた環を見て彼女がパーティー会場にいた目的が敏也の尾行だったことを知る。コナンは環とともに敏郎の家を訪ね、敏郎から敏也が保を恐喝していたことや、奈良沢たちの再捜査が敏郎の命令によるものだったことを聞く。

蘭はかつて新一とともに行ったトロピカルランドに見覚えがあると言い出し、コナンを危険な目に遭わせることを懸念して彼には内緒で鈴木園子や小五郎とともにトロピカルランドへ行くことを決める。翌日、トロピカルランドを訪れた蘭に真が着ぐるみ姿で近付くが、少年探偵団から唐辛子入りの水鉄砲などで攻撃されて確保され、ナイフを持っていたために殺人未遂の現行犯で逮捕される。高木は真を本庁へ連行し、危険はなくなったと判断した小五郎も自身がいないほうが記憶を想起しやすいと考えて同行する。しかし、真がそれぞれの現場を訪れたのは犯人に呼び出されたためで、父の件で警察に不信感を持っていた真は小五郎に相談しようと近付いただけであり、ナイフも犯人への護身用ということだった。

コナンは捜査資料を環に見せてもらい、芝の警察手帳の持ち方からこれが何者かによる偽装工作である可能性を指摘し、環の右利きが矯正したものでとっさに左手を使ってしまうことがあると聞いた結果、真相に気付く。蘭がトロピカルランドへ行ったことを知って急行したコナンは、園内の展望台から少年探偵団、さらには蘭を狙っている犯人を発見して少年探偵団に蘭を守るよう探偵団バッジで指令する。状況を理解した阿笠博士が蘭を庇い、周囲の人々を巻き込みたくない蘭は単独で逃走するが、コナンは合流に成功する。

コナンは蘭を連れて犯人から逃走しつつ、彼に真相を突きつけていく。犯人は風戸京介で、彼は元々外科医だったが、手術中に利き腕である左手の筋を保に切られる事故に遭い、手術能力を低下させてしまう。心療科に転向して利き腕を右に矯正した風戸は、再会した保から事故が故意だったことを知って彼を殺害し、再捜査を進めていた奈良沢たちをも襲撃した。奈良沢が胸を押さえた真相は「心療科」の「心」を指そうとしたものであり、風戸が芝に手帳を握らせたのは刑事の息子である真を連想させるためだった。また、硝煙反応が出なかったのは、穴を空けた傘から手袋をはめた左腕を突き出して撃ったためだった。

コナンと蘭は広場に追い詰められるが、そこは定期的に噴水が吹き出すようになっており、それを知っていたコナンは噴水に守られ、その終了直後にキック力増強シューズで風戸を失神させる。しかし、風戸はまもなく意識を取り戻すとナイフでコナンに襲いかかる。それに際し、新一とのデートの思い出や、噴水から風戸の左腕だけが突き出された光景によって記憶を取り戻した蘭は、空手で彼を制圧する。まもなく、敏郎の再捜査で真相へたどり着いた警察が駆けつけて風戸を逮捕し、佐藤が意識を取り戻したという連絡も入る。敏也の脅迫事件を追及するよう目暮に指示した敏郎は、先に真相へたどり着いたコナンを不思議に思って声をかけるが、彼に「Need not to know, 僕はただの小学生だよ」と返され、敬礼して立ち去るのだった。

名探偵コナン 天国へのカウントダウン

2001年4月21日公開 興行収入29億円

コナンは、阿笠博士や少年探偵団と西多摩市でのキャンプからの帰り道に、ツインタワービルの見物へ向かう。車中での暇潰しにと、何も見ずに30秒を当てるゲームを行うが、歩美のみが成功する。前日の夜に、灰原が公衆電話をかけていた場面を目撃していた元太は、彼女に相手を尋ねるが、電話をかけたこと自体を否定される。ビルに着くと、入口に小五郎、蘭、園子の姿があった。ツインタワービルのオーナー・常盤美緒は小五郎の大学の後輩であり、オープン前に特別に招待されていたのである。コナンたちは美緒の秘書・沢口ちなみと専務の原佳明にビルを案内してもらい、最新のゲーム等を楽しむ。その後、広大な富士山が一望できるA棟最上階のパーティー会場で出迎えてくれた美緒から、パーティーに出席する日本画の巨匠であり美緒の絵の先生でもある如月峰水、市議会議員の大木岩松、ビルの設計者・風間英彦を紹介される。各々がビルからの景色を楽しんでいる中、玄関前にジンの愛車である黒のポルシェ356Aが停まっていたことを知ったコナンは黒の組織がビルへ干渉する理由をいぶかる。 その夜、ビルにあるスイートルームの一室で大木が何者かに刺殺される。遺体の横には2つに割られた猪口が置かれていた。

コナンと少年探偵団は大木殺害事件の調査を始める。風間は聴取に応じてくれたが、如月には子供が警察の真似をするなと一喝されてしまう。翌日、新しいゲームの感想を聞かせてほしいと元より招かれていた原のマンションを訪れるが、彼はすでに遺体となっていた。その場にも割れた猪口が置かれていたため、警察は連続殺人として捜査を進める。原はチョコレートケーキを切り分けているところを犯人に襲われており、手には銀のナイフが握られていた。また、死亡推定時刻は如月が少年探偵団と会っている時間帯だったため、彼のアリバイが成立する。警察は常磐財閥が事件に大きく関係していると考え、美緒にオープンパーティーの延期を要請するが、美緒は中止どころか、パーティーにコナンたちまでも招待する。

その一方で、阿笠も灰原が深夜に電話をかける場面を目にする。阿笠は灰原を信用しながらも、恐怖から黒の組織へ寝返った可能性も否定できないとコナンに話すが、灰原が電話をかけていたのは、組織に殺害された姉・宮野明美が生前ひそかに借りていた部屋の番号であった。姉を偲び、わずか10秒足らずの留守電の声と会話をしていたのだと孤独感を吐露する灰原に対し、コナンは「お前は独りじゃない」と告げ、探偵団の面々を示す。灰原が近況報告をした録音はすぐさま削除したものの、折悪しく明美の隠れ家を突き止めたジンとウォッカが居合わせており、灰原(シェリー)がオープンパーティーに参加することを知られてしまう。

パーティーのためビルに向かう折、コナンと灰原が今回の被害者たちや殺人犯が黒の組織の関係者である可能性を検討していると、園子が髪をウェーブにして現れる。それを見たコナンは、髪型を変えた園子がシェリーこと、元の姿の灰原に似ていることに気づく。パーティーでは余興として、キャンプの帰りに行われたのと同じ30秒を当てるゲームが催される。景品は展示されていたフォード・マスタングで、これは小五郎が(偶然)的中させる。続いて如月の富士山の絵を紹介するため照明が落とされるが、明かりがつくと絵の前に美緒がつるされており、死亡が確認される。彼女のネックレスにはピアノ線につながったフックが付けられており、絵が下がるのと反対につり上げられる仕組みとなっていた。またしても現場に猪口が置かれていたが、今回は割られていなかった。

コナンが事件を解き明かした直後、黒の組織によって仕掛けられた爆弾が、地下の電気室と発電機室、地上40階のコンピューター室で爆発する。電源は破壊されたが、VIP用の展望エレベーターのみは別電源となっており稼働していた。最大積載量が少ないため、女性と子供・老人のみが順にエレベーターで1階まで降り、搭乗を拒否した如月も含め、それ以外の人物は非常階段で60階まで降り、連絡橋からB棟へ避難することになる。

コナンは蘭や園子とともに最後まで残るが、エレベーターで下りる途中、ジンが園子をシェリーと誤認し、狙撃しようとしていることに気づく。コナンの機転で銃弾は回避され、取り乱した園子を見たジンは別人であることに気づき狙撃を中断するが、エレベーターは停止してしまう。エレベーターから脱出したのは連絡橋のある45階で、コナンたちはそこからB棟へ避難しようとするが、避難する人々のなかにシェリーを発見できず、シェリーが上に残っていると考えた組織によって2つの連絡橋が落とされ、コナンと蘭は取り残されてしまう。2人は消防用のホースを使ってビルの外側にぶら下がり、火元より下の階の窓から再突入することによって脱出に成功する。

少年探偵団と、阿笠に監視を頼んだが、見失ってしまっていた人物の姿が見当たらず、コナンが探偵団に連絡を取ると、彼らは60階の連絡橋の前で立ち往生していた。コナンはB棟からターボエンジン付きスケートボードで連絡橋を飛び越える。スケートボードは落ちてしまったが、コナン自身は探偵団との合流に成功する。

コナンは警察に避難用のヘリコプターを頼み、探偵団の3人を先に屋上へ行かせ、自身は灰原とともにパーティー会場へ戻る。そこには大木と美緒を殺害した犯人である如月がいた。美緒のネックレスは外しやすいように細工を施したうえで如月が贈ったもので、暗がりの中でこれを外した後、つけ直してやる振りをしてあらかじめフックをとりつけてある別のネックレスをつけたのだった。如月は原の殺人に関してアリバイがあるが、これは如月が原を殺害するのに訪れた際、すでに別人に殺されていたのを発見し、連続殺人に仕立て上げ他の容疑からも外れるために、後から猪口を置いていた。動機は富士山画家である彼が長年通い、3年前からは仕事場を兼ねた家まで建てた丘からの富士の眺めを、ツインタワービルによって阻害されたことであった。割られた猪口はビルで分断された富士山を表しており、美緒のときは連続殺人であることを示すために猪口だけは置いたが、富士の絵を美緒の体で遮っていたため割る必要がなかった。犯行を暴かれた如月は服毒を図るが、コナンが麻酔銃で阻止する。

警察のヘリコプターが屋上へ着陸しようとするが、組織による放火で阻まれる。コナンたちはパーティー会場で鎮火を待つつもりだったが、そこには大量の時限爆弾が仕込まれていた。ヘリポートの鎮火より先に爆発してしまうため、コナンは展示してあったマスタングで、A棟より背の低いB棟の屋上にある、開閉式ドーム付きのプールへ飛び移る方法を思いつく。パーティー会場では十分な速度まで加速することはできないが、コナンは爆風の勢いを利用してそれを補おうとする。そのためには爆発と同時に窓の外へ飛び出す必要があったが、車に乗り込むとタイマーが見られない。光彦はキャンプの帰りに正確に時間を当てた歩美に計測してもらうことを提案する。元太は彼女が余興の際は外していたことを懸念するが、歩美はコナンが側にいればできると言う。灰原が30秒までタイマーを見ながら読み上げ、以後を歩美に引き継いで車に飛び乗ることになったが、実行の段になると、灰原は30秒を切り、歩美が数えはじめても計測をやめようとしない。自身が犠牲となるつもりでこの方が正確だと嘯く灰原だったが、元太が駆けつけて灰原を強引に車に乗せる。車は眠ったままの如月も含めた6人を乗せてタイミングよく窓から飛び出すものの、その勢いで灰原が車から投げ出されてしまう。しかし光彦が彼女の手をつかみ、車外にぶら下げる形で保持する。しかしそのままでは灰原が装飾用の柱にぶつかってしまうところだったが、コナンがとっさに歩美にかぶせていたヘルメットをキック力増強シューズを使って柱にぶつけて破壊し、全員無事に着水に成功する。

ジンとウォッカはシェリーがパーティーに来なかったと判断する。彼らの本来の目的は原の殺害と、原がハッキングした組織のデータの破壊であったためシェリーには拘泥せず、楽しみは後にとっておくとほくそ笑んで去る。

灰原は光彦と元太に礼を述べ、歩美から「コナンの側にいると心臓が高鳴り、その鼓動で時間がわかる」と告げられたコナンに対しては「吉田さんを泣かせたら許さない」と冗談めかして言い、彼らとの絆を確かめるのだった。

名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊

2002年4月20日公開 興行収入34億円

江戸川コナンたちは新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーを訪れるが、ゲームの開発者である樫村忠彬がIT企業社長のトマス・シンドラーに刺殺される。樫村がキーボードのJ・T・Rの3か所に血の跡を残したのを見て、これが実在した殺人鬼のジャック・ザ・リッパーを指しており、100年前のロンドンを舞台としたゲーム内に手がかりがあると考えたコナンは、ゲームへの参加を決める。ゲーム内には参加権を手に入れた少年探偵団や灰原哀、毛利蘭も来ていた[注 4]が、ゲームは人工知能ノアズ・アークに乗っ取られてしまう。ノアズ・アークはシンドラーのもとで2年前に自殺したヒロキ・サワダという少年が開発した成長する人工知能であり、自殺直前の彼によって一般の電話回線へ解き放たれていた。

ノアズ・アークは「日本のリセット」とうそぶき、50人のゲーム参加者全員が脱落すれば有力者の子や孫である彼らの脳を破壊すると宣言し、5種類のステージに参加させる。コナンたちはジャックを捕らえるシナリオ「オールドタイム・ロンドン」を選択し、パーティー会場で不遜な態度を取っていた諸星秀樹、滝沢進也、江守晃、菊川清一郎と行動を共にすることとなった。

ゲーム内では阿笠の発明品が機能しないことが判明するものの、架空の人物であるシャーロック・ホームズがお助けキャラクターとして存在することが分かり、コナンたちはベイカー・ストリートへ向かう。ビッグ・ベンを通りかかった一行は、諸星の指摘で分針が戻るのを目撃し、コナンはこの針がゲーム生存者数を表していることに気付く。

たどり着いたベイカーストリートにはノアズ・アークの妨害でホームズが不在となっていたうえ、プログラムされていない浮浪者が現れ、「死にたくなければお前も血塗れになれ」と歌っていた。ハドスン夫人にベイカーストリートイレギュラーズと思われ、ホームズの住居へ入ることができたコナンたちは、ホームズの捜査資料でジャックの情報を集める。資料によるとジャックはモリアーティ教授と関係しているとされ、彼にたどり着くべく一行はモリアーティの腹心であるモラン大佐が根城とするトランプ・クラブへ赴く。クラブでは諸星の行動がもとで乱闘騒ぎとなってしまい、菊川に続いて少年探偵団が脱落するが、モリアーティとの接触には成功する。モリアーティによると、彼にジャックは犯罪者として育て上げられたが、一連の女性殺害については指令ではなく暴走だという。ただ、モリアーティの殺しの指令にはまだ呼応するといい、彼は翌朝の新聞を通じてジャックに指令を送るとのことだった。コナンはモリアーティの去り際、ライヘンバッハの滝に注意するよう声をかける。

他ステージの参加者が全滅したことが発覚する中、ジャックの標的がアイリーン・アドラーであることを知ったコナンたちは警告するが、彼女はオペラ出演を敢行する。その結果、劇場が爆破されて江守、滝沢、灰原が脱落したもののアイリーンを守りきることには成功し、ジャックを追跡して走行中の列車に追い詰める。車掌を通じて乗客を同じ車両内に集めたコナンは、ホームズの情報と自身の捜査をもとにした推理を披露する。

事件の第二の被害者であるハニー・チャールストンは10年前に息子と夫を置いて出奔したが、彼女はジャックの実母であり、殺害はその恨みのためだった。第一の犠牲者は捜査撹乱のための無関係な人物で、以後も殺人を続けたのはモリアーティの教育によって母と同じような女性を狙い続ける異常性格犯罪者となってしまったということである。さらに、10年前から同じ指輪をはめ続けていたという理由から、指が1本だけ細い人物をジャックとして指摘する。それを聞いたジャックが煙幕を張ると、乗客も乗員もすべて消えてしまい、ジャックと蘭もいなくなっていた。

一方、現実世界ではゲームのシナリオ参加者でもある工藤優作が、樫村殺害の真相を解き明かす。パーティー会場には金属探知機が置かれており、凶器は会場に元々あったものと考えられた。それはシンドラー宅から運ばれたブロンズ像の持っていた短剣で、使用する間は偽物を置いていたが、発見されたその偽物には偶然それに触っていた諸星とシンドラーの指紋があった。シンドラーは樫村を殺害する動機がないとして食い下がるが、優作はゲーム中のジャックが「自身の凶悪な血をノアの方舟に乗せ、次の世代へと繋げるべく生き続けることが望み」と語ったことを動機として示す。シンドラーはジャックの子孫であり、これが発覚することは社会的な破滅を意味していた。ヒロキはシンドラーのコレクションにあったジャックの凶器から検出されたハニーのDNAがシンドラーのものと一致することを知ったうえ、ハニーがジャックの実母であることを知られることを恐れたシンドラーは結果としてヒロキを自殺に追い込み、ヒロキの父であった樫村に真相を知られると、こちらも口封じのために殺害したのだった。観念したシンドラーは、白鳥警部に逮捕される。

コナンと諸星は列車の屋根の上でジャックと対峙する。ジャックは蘭を縛り上げたロープを自身とつなぎ、列車から落ちれば蘭も巻き添えになるようにしたうえでコナンたちに襲いかかる。コナンは追い詰められるが、蘭は自ら崖下に身を投げ、ジャックを道連れにする。虚脱状態に陥ったコナンに諸星が発破をかけると、コナンは暴走する列車から生還するには機関車との連結を切り離すほかないと考えていたが、自分たち以外の全員が消えた今、蘭の力が無くてはそれも叶わなくなったと語り、絶望に打ちひしがれる。そこに突然浮浪者が現れて「お前たちはまだ血まみれになっていない」と告げ、ホームズの姿と化して消え失せる。それがヒントであることに気づいたコナンは、諸星と共に貨物車の積荷の樽を割って車両内に大量の赤ワインを溢れさせ、それによって駅への激突時の衝撃を和らげる。

やがて、ゲームのエントランスで目を覚ましたコナンは、勝利に喜ぶ諸星のことをノアズ・アーク、ひいてはヒロキ君と呼ぶ。コナンは諸星がビッグベンの針が50分の位置にある時点で異変に気付いたことや、サッカー少年である彼が100年前のサッカーボールに興味を示さなかったことから、諸星のデータを借りてヒロキが参加していることに感づいており、彼が本当は参加者たちが危機を乗り越え、成長することを期待していたと指摘する。ヒロキも、汚い大人たちに利用される自分のような人工知能はまだ生まれてくるべきではなかったという結論に至る。

無事に参加者たちを救出して生還したコナンは優作と笑みを交わし、自らの命を絶っていくノアズ・アークに「安らかに眠れ、ヒロキ君」と思いを馳せるのだった。

名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)

2003年4月19日公開 興行収入32億円

東京・大阪・京都で、合わせて5人の男が翁の能面を被った犯人に日本刀や弓矢で殺される事件が発生。警視庁・大阪府警・京都府警による捜査の結果、殺された5人が古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーであることが明らかになった。源氏蛍のメンバーは首領を義経とし、部下は弁慶以下、義経の家来の名前で呼ばれており、全員が義経記を所持していることが特徴だが、殺されたメンバーは義経記を持ち去られていた。この殺人によって源氏蛍のメンバーは義経、弁慶、伊勢三郎の3名となったが、彼らの情報は年齢も性別もまだわかっていない。

同じ頃、小五郎は山能寺の僧侶、竜円から依頼を受け、コナンたちを連れて京都を訪れる。山能寺では8年前、12年に一度公開する秘仏の薬師如来像が何者かに盗まれており、最近その仏像のありかを示すという謎の絵が差出人不明で山能寺に届いたので、小五郎に解読を依頼したのだった。 山能寺を訪ねた小五郎たちは、和尚の円海、檀家の古美術商・桜正造、能役者・水尾春太郎、古書店店主・西条大河と出会う。彼らは剣道仲間でもあるということである。

コナンは秘仏を盗んだのは源氏蛍だと推理し、謎の絵の解読のヒントを求めて義経と弁慶に縁の深い五条大橋を訪れたところ、服部平次と遭遇する。平次も源氏蛍の事件を追っていたため、ふたりで捜査を進めることとなった。

途中、コナンは平次から彼の初恋に関するエピソードを聞く。それは8年前、平次が小学校3年生の頃、京都の寺で見かけた少し年上と思しき着物を着た、手毬唄を歌っていた少女だった。平次はその場で水晶玉を拾っており、以後彼女のことを知る手がかりとして、京都を訪れる際は必ずその水晶玉を持ち歩き、また平次が雑誌に取り上げられた際もその水晶玉を見せているため、和葉もそのことを知っているという。

彼らは鞍馬山を訪れるが、そこで平次がライダースーツの人物に弓矢で狙撃される。コナンの機転でそれをかわし、2人はバイクで追跡するが取り逃がしてしまった。

その夜、コナン一行は先斗町の御茶屋を訪れるが、そこで桜が何者かに殺害されてしまう。桜は茶屋の納戸を物色していた上、コナンと平次が桜の古美術店を調べた結果、彼が源氏蛍のメンバー・伊勢三郎であることが分かり、加えて桜は暗号の絵のコピーを持っていた。平次は桜殺害の容疑者として、店にいた竜円、水尾、西条、舞妓の千賀鈴を挙げるが、店の中から凶器は発見されず、さらに納涼床にいた園子が水音を聞いていたにもかかわらず下を流れるみそそぎ川からも何も発見されなかった。

平次が和葉を乗せて帰宅する途中、平次は再びライダースーツの人物の襲撃に遭う。その人物は翁の能面をかぶり、木刀による対決を申し込んでくる。平次は見たことのない剣法に苦戦し負傷、窮地に陥ったところを和葉の機転によって救われる。何故か犯人は平次の落とした水晶玉を回収しようとした上、凶器の短刀を置いていってしまっていた。検証の結果、桜の殺害と平次襲撃の凶器は同一のものであった。

平次は一度は入院するも、病院を抜け出して捜査を続ける。その途中、コナンと平次は千賀鈴が手毬唄を歌うのを聞く。京都の子はみな、この唄で通りの名前を覚えるということだったが、平次は自身の初恋の相手が彼女だと確信する。ただし、初恋の子が歌詞の「姉さん」の部分を「嫁さん」と歌っていたことは気になるようだった。

義経か弁慶のいずれかが既に死んでいる可能性が上がる中、コナンは暗号の絵は京都の通りの名を表したものであり、それを結んでできた漢字が、宝石の意味を持つ「玉」の字の点に当たる位置にある仏光寺が仏像のありかであると推理する。また、平次の様子からかつて平次が水晶玉を拾った寺が山能寺であると推測しており、水晶玉は初恋の少女のものではなく、山能寺から盗まれた仏像にはめ込まれていた白毫であること、犯人が平次を襲撃したのは雑誌の記事から白毫を所持していることを知ったためであること、義経が死期を悟り、仏像の隠し場所を暗号として部下たちに配り、それを発見したものを次の首領とすることを遺言したこと、桜は唯一売却のルートを握っていたため、自身の身だけは安全と考え、剣の達人である殺人犯に他の全員を殺すよう持ちかけたが、自身も殺されてしまったこと、犯人は唯一の生き残りとなっても暗号が解けないことにはどうにもならないことから、名探偵の毛利小五郎に解読を依頼したことを推理する。

仏光寺についたコナンたちは、宝があるのはここではなく、移転して碑のみが残る玉龍寺であると気付いたが、そこへ平次に電話がかかってくる。それは和葉を誘拐したことを知らせるもので、1時間後、1人で鞍馬山の玉龍寺へ来いというものであったが、手傷を負って具合の悪かった平次はその場に倒れてしまう。

やがて平次は玉龍寺に現れ、推理を披露する。犯人は桜を殺害した後、凶器を発信機とともにペットボトルに入れて流し、のちに周波数をたどって回収した。平次襲撃の際にあえて凶器を残すことにより、ふたつの事件の犯人は同一であるが、桜殺害の前後御茶屋にいた人物には凶器を隠しておけないと錯覚させることにより、容疑者から外れようとしたものであるとし、犯人を武蔵坊弁慶こと西条であると指摘した。西条の言動や所作から、弓の使い手であるにかかわらずそれを隠していることを看破したためである。 西条は弁慶より義経に憧れており、義経流という剣道の流派を知ってからはそれを独学で学び、自ら義経流後継者を名乗る。源氏蛍の首領が住職で、廃寺になってからも管理していた玉龍寺を道場として使っていたが、住職が死んで寺が取り壊されることになったため、洛中に義経流の道場を作るための金を必要としたのが犯行の動機であった。

西条は仏像がこの寺にあることを聞いた後、般若の面をつけた弟子たちに周りを囲ませ斬りかかるが、和葉は平次が別人であると叫ぶ。それは工藤新一の変装であり、阿笠博士と灰原哀が開発した、風邪と同じ症状を引き起こす薬を飲んで体の抵抗力を落とした状態で白乾児を飲むことによって新一の姿に戻ったのであった。しかし強い風邪を引いているのと同じ状態であった上、白乾児の効果が早くも切れかけ思うように動けず、西条の弟子に斬られかかるが、それは変装した平次であった。平次は新一を逃がし、西条の弟子たちと斬り結ぶが、刀が折れてしまい寺の中へ逃げ込む。

平次と和葉が立て籠もった部屋は和葉が閉じ込められていた部屋であり、和葉は弟子たちの会話から、予備の刀がその部屋の箪笥の「弁慶の抽斗」に入れられたことを聞いていた。その箪笥の形は京都の通りと一致しており、「弁慶の抽斗」は弁慶石にあたると考えられたが、平次は通りの位置を思い出せない。すると和葉が手毬唄を歌い平次に場所を教える。和葉は、歌詞の「姉さん」の部分を「嫁さん」と歌った。箪笥から村正を入手した平次は和葉を逃しながら屋根に上がり、西条との決着に挑む。

和葉が建物の外まで出たところで、新一の姿で蘭と束の間逢い、麻酔銃で眠らせた後、小学生の姿に戻ったコナンが合流する。平次は猛毒を塗った小太刀との二刀流を使う西条に手こずり、屋根から落ちそうになった上、弟子たちには弓で狙われるが、コナンは弟子の注意を惹きつけ、射られた矢を足場として飛び上がり、ボール射出ベルトを使って西条の小太刀を弾き飛ばし、平次は西条を峰打ちにする。そこへコナンが火で呼び寄せた小五郎や警察たちが駆けつけ、西条たちは逮捕される。

翌日、小五郎は暗号が解けないまま山能寺を去るが、竜円と円海が扉を開けると、平次の野球帽が被せられた薬師如来像が置かれていた。実は玉龍寺もまた上から見ると「玉」の字になっており、この字はうかんむりをつけると「宝」となるが、うかんむりは屋根を意味しており、点の位置に当たる鐘楼の天井裏に仏像が隠されていたのであった。円海は「あのふたりは義経と弁慶のようないいコンビだった」と語り、それを小五郎と平次のことだと解釈した竜円を修行が足りないと笑う。

和葉は手毬唄を歌い、歌詞の間違いを平次に指摘される。それは小学校3年生の頃、平次とともに京都の親戚の家へ出かけた折に覚えたということであった。着飾って化粧をした和葉を見て、そうとは知らず恋をしたことに思い至った平次は、「やっと逢えたっちゅうわけか」とつぶやく。蘭も新一と会ったときに汗を拭った汚れがハンカチに残っていたことに気付き、夢ではなく「やっと逢えたね」と思うのであった。

名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)

2004年4月17日公開 興行収入28億円

毛利小五郎は、「Romeo Juliet Victor Bravo!」 と書かれた怪盗キッドの予告状についての相談を、舞台女優の牧樹里から受ける。狙いは「運命の宝石」というスターサファイアで、小五郎はこれを牧の出演する舞台『ジョゼフィーヌ』の終幕の場面で、キッドがナポレオン役の人物に扮して実行するものだと推理し、牧の要望もあって江戸川コナンたちとともに劇場に赴く。コナンたちは劇場で中森警部と会い、助っ人として工藤新一が来ていることを知る。この新一はキッドの変装であるが、彼は素顔そのものが新一と似ていたことから、変装ではないと見なされていた。舞台の終盤、キッドが抜け出すのを見たコナンは後を追い、規定より長い警棒を持っていた警備員に変装していたキッドを見破ると、ハンググライダーで逃走する彼をパラグライダーを利用して追跡するが、取り逃してしまう。

翌日、宝石を守った礼としてコナンたちは函館にある牧の別荘で行われる打ち上げに招待され、俳優の成沢文二郎、田島天子、俳優で演出家の伴亨、牧のマネージャーの矢口真佐代、牧のヘアメイクの酒井なつきと、体調不良で欠席するはずだった俳優の新庄功とともに、羽田発函館行きのスカイジャパン航空865便(ボーイング747-400D)に搭乗する。昨日のキッドの様子を訝しんでいたコナンは、キッドの暗号が実際にはフォネティックコードを表しており、この機内での犯行を予告したものであると気付くが、その直後にチョコレートを食べた牧が青酸中毒で死亡する。機内で牧が口にしたのは矢口のチョコと田島のビタミン剤のみで、同じくチョコを食べた小五郎に異常はなかった。真相を見抜いたコナンは妃英理を探偵役として、推理を披露する。

犯人は酒井であり、彼女は牧が機内で毎回鼻を摘んで耳抜きを行うことを知っていたため、毒を混ぜたファンデーションを鼻に塗ってそこから指へ毒を移し、チョコの付着した指を舐めることで毒を口に入れさせていた。酒井は犯行動機を、牧にハリウッドでの仕事を潰されたうえ、彼女がそうした理由が酒井をメイクとして必要としたためではなく、付き人として置いておきたかったに過ぎなかったことから、メイクとしてのプライドによっておよんだものであると主張する。しかし、小五郎から仕事道具を凶器として使う者にプライドを語る資格はないと叱責されたうえ、阿笠博士から罪を償ってやり直すよう諭された酒井は、泣き崩れる。

殺人事件は解決したが、牧は以前同僚だった機長と副操縦士のいるコックピットへ挨拶に行った際に自分の手の甲にキスをさせており、彼らも中度の青酸中毒に陥ってしまっていた。命に別状はなかったものの2人とも操縦できる状態ではないことから、操縦の経験があるという新庄が操縦の代行を買って出て、助手としてコナンを指名する。2人きりのコックピットで、コナンは新庄がキッドの変装であることを指摘する。本物の新庄は余興でキッドに扮して先に別荘へ到着しており、キッドは牧の手に口づけをした際、本来口に含むと冷たいスターサファイアが偽物であることをすでに知っていた。コナンとキッドは管制塔との連絡を経て函館空港への着陸を試みるが、落雷でオートパイロットが故障して中止を余儀なくされたうえ、強風で機体がバランスを崩し、何とか立て直すものの管制塔にエンジンが1基接触して脱落して地上に落下、爆発して地上支援車両群を爆風で吹き飛ばしてしまう。更には爆風で弾き飛ばされた車両で給油車が爆発し、しまいにはそれから給油を受けていた旅客機も爆発するという大惨事となり、滑走路が使用不能となってしまう。

滑走路の状態が整うまで上空での待機はできたはずだったが、機長たちを運び出す際のトラブルでクロスフィードバルブが開いていた結果、燃料がエンジンの脱落跡から大量に漏れていた。そのため機体にはあと10分間程度飛行できるだけの燃料しか残されておらず、無線も不通になってしまう。コナンは別の着陸先として室蘭の崎守埠頭に向かうが、キッドは強風の際に片腕を強打して着陸の操作ができなくなっていたことから、毛利蘭を代役に指名したうえ、埠頭の周辺に夜間の着陸に必要な照明がないのを確認すると、機外へ脱出してしまう。

コナンは不安げな様子の蘭を見てコックピット外へ出ると、新一の声で励ましの電話をかけるが、蘭は新一の真意を質して自身の好意を伝える。コナンが虚を突かれて答えあぐねている中、蘭は地上を動いていく光の帯を発見する。これはキッドがパトカーの赤色灯を照明として用いるためにおびきよせたものであり、蘭は新一による指示のもとで鈴木園子と協力して着陸に成功する。

着陸後、救急隊員に扮したキッドから話しかけられた蘭は、機内で通話した新一がキッドの変装だったと解釈し、告白は不成立だったと考えて胸を撫で下ろすのだった。

名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)

2005年4月9日公開 興行収入28億円

15年前、北大西洋の海上で貨物船「第一八代丸」が氷山に激突して沈没する事故が発生し、沖田船長と三等航海士の2人が死亡した。そして半月前、八代造船の船舶設計士・八代英人が別荘に通じる道を車で運転中心臓発作を起こし、車ごと崖下に転落して死亡した。この時を越えた一見関係なさそうな2つの事件は、豪華客船の乗員乗客全てを巻き込む巨大な陰謀の序章に過ぎなかった。

園子の計らいで八代グループの豪華客船「アフロディーテ号」の処女航海に招待されたコナン達は、大いにクルーズを楽しんでいた。ひょんなことから、船内でかくれんぼをすることになった一行だが、かくれんぼの最中に園子が何者かによって拉致・監禁されてしまう。幸いにも園子はコナンの推理によって無事に助け出されたが、今度は八代商船の社長・八代貴江が何者かに刺殺され、八代グループ会長で貴江の父である八代延太郎も行方不明になってしまう。目暮警部らが到着して捜査が始まるが、容疑者は乗員乗客を合わせて総勢600名に上り、捜査の難航は必至だった。

一方、佐藤刑事らは八代英人の事故死に不審を抱き、再捜査をしていた。彼女は運転席のシートベルトの金具に残っている不審な痕跡に注目する。

捜査を続けるコナンたちは、延太郎がマリーナのハッチから海に突き落とされた可能性が高いことを突き止める。それからほどなくして、海上保安庁によって海に漂う延太郎の遺体が発見された。一方で、小五郎はコナンとも警察とも別に独自の捜査を展開していた。事件の真相をつかんだコナンは、ウェルカムパーティーの席で阿笠博士の声を借りて推理ショーを展開し、アリバイトリックを崩してシナリオライターの日下ひろなりが犯人である証拠を提示する。日下は第一八代丸沈没事故で犠牲となった三等航海士の息子で、第一八代丸沈没事故が八代親子や八代英人、第一八代丸の副船長だったアフロディーテ号船長の海藤が保険金詐取と沖田の排斥を目的に仕組んだ事故であることを知り、復讐するべくアフロディーテ号に取材と称して乗り込んでいたのだった。

だが日下は、機関室に仕掛けておいた爆弾を爆発させ、その混乱に乗じて逃走を図る。しかしコナンと少年探偵団の追跡により、無事に日下の逃亡は阻止された。その後目暮達がやってきてコナン達を叱り、コナン達は謝ったが、彼らの目の前のアフロディーテ号では爆弾が次々と爆発し、船腹に穴が開いて浸水し始める。アフロディーテ号の沈没は最早避けられないものとなり、乗員・乗客が避難していく中、忘れ物に気付いた蘭は取りに戻るが、忘れ物を見つけた場所に取り残されてしまった。さらに、事件は解決しているかと思われたが、その裏には真犯人による更なる陰謀が隠されていた。アフロディーテ号に残った小五郎は真犯人と対峙し、自ら暴いたアリバイトリックに納得がいかず、アフロディーテ号に仕掛けられた爆弾が多すぎることに疑問を抱いていたコナンも真犯人に気付き船に向かうことにする。

真犯人はアフロディーテ号設計グループ副リーダーで八代英人の部下であった秋吉美波子だった。美波子は実は沖田の娘であり、日下から取材を受けた際に執拗に八代親子のことを聞かれたことで疑問を抱き、日下が取材の途中で席を外した隙に彼のパソコンを覗いて真の目的を知り、後日酒に酔った英人から事件の真相を聞き出したことで、父親の復讐を決意。杜撰だった日下の復讐計画を利用し、英人の車にスタングレネードを仕掛けて自動車事故を誘発させることで日下よりも先に英人を殺害し、日下が計画を修正するよう仕向けると、それを逆に利用することで日下を犯人に仕立て上げつつ自らの手で復讐を実行していった。日下は事件において誰も殺害していなかったが、パソコンの中で沖田のことを「船と運命を共にした時代錯誤の男」と非難していたこともあって犯人に仕立て上げられたのである。アフロディーテ号に追加で爆弾を仕掛けたのも美波子であり、最後に残った海藤を水中銃で殺害しようとするが、真相に辿り着いていた小五郎によって使えなくされていた。

小五郎は本性を現した美波子にボコボコにされながらも、コナンのアシストもあり、最後は一本背負い投げで美波子を制圧した。美波子を救命ボートまで連れて行ったコナンと小五郎だが、そこで蘭の姿が見えないことを園子に聞き、蘭を見つけ出すべく再び船に戻る。そして1人残されていた蘭を無事見つけ出したコナンと小五郎の元に、海上保安庁のヘリコプターがやってくる。これにて一件落着かと思いきや、一同が引き上げられ始めた直後に突風でヘリコプターがあおられ、今度はコナンが船に取り残されてしまった。しかし蘭と少年探偵団のおかげでコナンは脱出に成功する。こうして乗客は全員無事に救出され、アフロディーテ号は渦に巻き込まれながら海に沈んでいった。

名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)

2006年4月15日公開 興行収入30.3億円

ある人物から調査依頼を受けた小五郎は、コナン・蘭・少年探偵団と共に、横浜に新しくできたテーマパーク「ミラクルランド」を訪れた。その敷地内にある「レッドキャッスルホテル」に着いた一行は、高田と名乗る依頼人の秘書からスイートルームに案内され、ミラクルランドの腕時計型フリーパスIDを配られる。全員がそれを腕に装着し、コナンは大喜びの蘭や少年探偵団たちとミラクルランドに向かおうとするが、高田に部屋に残るように言われる。

部屋にはコナンと小五郎だけが残った。高田がリモコンを操作すると、顔を隠した依頼人がモニターに映し出された。依頼人はコナンと小五郎に「私が出すヒントを元に、今から12時間以内にある事件を解決してもらいたい。もしできなかったら、全員のフリーパスIDを爆破する。」と迫る。先ほど配られたフリーパスIDには時限装置付きのC-4爆薬が仕掛けられていたのだ。これによりコナン達は時間にも追われることとなった。さらに、無理やり外した場合も爆発するという。また、探偵以外のフリーパスIDの場合は、一旦ミラクルランドのゲートから中に入るとセンサーが感知して起爆装置が起動し、それ以後ミラクルランドの一定エリア内から出た時にも爆発する仕掛けになっているという。このエリアにはミラクルランドのほぼ全域が含まれるが、大型遊具の「スーパースネーク」は一部がエリア外を通るため、灰原哀らは手首に爆弾が付けられていると知らない毛利蘭たちが、スーパースネークに乗らないよう腐心する。小五郎の顔なじみの竜阿茶の爆死シーンがモニターに映し出され、依頼人から第1のヒントを受け取ったコナンと小五郎は、レッドキャッスルホテルを飛び出した。

捜査の過程で、コナンは服部平次・白馬探・怪盗キッドらに遭遇する。平次と白馬もまた、爆弾付のIDを付けられてしまったのだ。さらに、怪盗キッドは最近何者かに命を狙われており、その関係で中森警部ら警視庁捜査二課の他に、横溝重悟ら神奈川県警捜査一課も動いていた。

名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)

2007年4月21日公開 興行収入25.3億円

佐藤刑事と高木刑事は、都内で強盗犯とカーチェイスを繰り広げていた。佐藤は巧みなドライビングテクニックで強盗犯の車を追い詰め、横転させる。そのまま逮捕されることになった強盗犯は、「神海島」と「ジョリー・ロジャー」という意味深な言葉をつぶやき、意識を失った。

翌日、バカンスで神海島を訪れたコナン一行は、財宝探しに集まったトレジャーハンター一味と出会う。神海島は、海底の古代遺跡・海底宮殿が発見され有名になった島である。また、300年前に2人の女海賊アン・ボニーとメアリ・リードが遺したという財宝伝説も語り継がれている。興味を持ったコナンたちは島の観光課が企画した宝探し、蘭と園子はダイビングとそれぞれバカンスを満喫する。

そんな中、トレジャーハンターの1人が、海底宮殿を探索中にサメの群れに襲われ死亡した。当初は不幸な事故と思われたが、ダイビングスーツに残っていた痕跡から、コナンはこの事件が殺人だと推理する。さらに、東京からはるばるやってきた目暮警部の話から、トレジャーハンター達が昨日都内で起きた強盗事件の犯人とつながっていることが明らかになる。

その日の夜、島の観光館にトレジャーハンター達が泥棒に入り、逃走中に何者かからライフルで狙撃されるという事件が起こった。さらに翌日、蘭と園子がトレジャーハンターたちに連れ去られてしまう。蘭たちを助けるために1人、コナンは海底神殿に向かう。トレジャーハンターの正体や彼らを狙う犯人とその目的、2人の女海賊が残した財宝の謎など、複雑に絡み合う謎に、コナンが挑む。

名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)

2008年4月19日公開 興行収入24.2億円

高名な元ピアニストの堂本一揮によって創設された堂本音楽アカデミーの練習室が爆発し、アカデミーの1期生が2名死亡、ヴァイオリニストの河辺奏子が重傷を負った。現場からはフルートを構成する3つの部品の1つ、胴部管が発見された。

事件の翌週、蘭はオルガンに転向した堂本一揮の新しい音楽ホール、堂本音楽ホールでのこけら落としとリハーサルの見学に新一を誘うが、喧嘩になってしまう。蘭が新一と喧嘩したことを知った園子は、中学の時に特に長い喧嘩があったことを思い出し、それについて尋ねるが、蘭は帰路に聞こえてきた、なにかの曲が仲直りのきっかけになったこと以外忘れてしまっていた。

リハーサルを見学したコナンたちは、堂本一揮の他、彼の専属調律師だったホール館長の譜和匠、オルガン調律師のハンス・ミュラー、ピアニストで一揮の息子の弦也、堂本アカデミーの卒業生であるソプラノ歌手の千草らら、河辺の代役となったヴァイオリニストの山根紫音を目にし、ソプラノ歌手の秋庭怜子と出会う。彼女が帝丹小学校OGだったことから後日コナンたちの合唱の練習を見てもらうことになるが、その練習のあと、怜子の飲み物を勝手に飲んだ元太が苦しみ出す。診察の結果、4,5日の間声が出づらくなるということであり、彼女の堂本アカデミーでの練習のあと、3日後に迫ったホールでの出演を狙い、水筒に刺激物が混入されたものと考えられた。さらに帰り道、一行は何者かにダンプカーで襲われる。

さらにアカデミーの1期生が2名死亡し、それぞれの現場にはフルートの頭部管と足部管が残されていた。4名の死者は過去、ピアノカルテットを組んでいたという。 警察や小五郎は関係者の動機を確認するが、死んだ4人と秋庭の両方に動機の見える者はいない。

翌朝、コナンは秋庭のもとを訪れ、彼女の寝室でフルートと、男性の写真を見つける。その男性は彼女の婚約者であった相馬光というフルート奏者で、4人組が無理やり酒を飲ませた結果、事故で転落死していたのだった。 コナンは秋庭の森林浴に同行したところ、エアライフルでの狙撃に遭遇する。2人は逃げ出すが、犯人に怜子を撃つチャンスを与えてしまう。しかし犯人は何故か撃とうとせず、コナンたちは逃走に成功する。

公演当日、コナンと秋庭はパイプオルガンの管が1本だけ微妙にずれた音を出すことに気付き、ミュラーが行方不明のため一揮に伝えようとするが、不在の彼を探す間に2人は何者かに襲われ意識を失う。そのまま公演開始の時刻となり、千草が代役となって開演する一方、コナンと秋庭はボートに乗せられ、運河に流されていた。運河から脱出することは困難だったが、手の届かない位置に電話があったため、コナンがボール射出ベルトを使って受話器を外し、2人の声でDTMF信号を発することによって110番通報に成功する。

公演が始まってから、堂本ホールの外側にある23本の柱は断続的に爆破され続けていたが、ホール内は完全防音となっていたため会場の人間は誰も爆発に気付かないまま公演が続けられていた。 ヘリでコナンと秋庭を助けに来た佐藤刑事と高木刑事は、そのままホールの上ぎりぎりまで降下させて飛び降りることによってホール内に突入し、怜子とコナンも強引に同行する。 佐藤と高木は爆弾を探しに行き、コナンと秋庭は会場で待機するが、音のずれと爆発が連動していることに気付く。管の1本に空気の流れの感知に伴って爆発させるセンサーが仕込まれていて、それのために微妙に音がずれていたのだった。 コナンが犯人がリモコンも所持しているのを見つけたため、公演を中止させても起爆されてしまうことがわかったが、秋庭がアメイジング・グレイスで割り込むことで時間を稼ぐ間に、コナンはセンサーを外し、犯人と対峙する。一方蘭は、中学の時に新一との仲直りのきっかけになったのが、彼女のこの歌だったことに気付く。

犯人は譜和匠であり、彼は相馬の、身元を明かせない父親だった。4人組を殺害したのは相馬の復讐で、河辺、秋庭、コナンを襲撃したのは彼らが絶対音感を持っているため、音の違いを指摘されるとセンサーが発見されるおそれがあるからで、秋庭をそれほど追い詰めなかったのは相馬の婚約者だったためである。 コナンは時計型麻酔銃が壊れてしまっていたためリモコンによる起爆を阻止しあぐねていたが、灰原がリコーダーの音名で「SHOOT」という文字列を伝えて射線を空けさせ、佐藤の狙撃によって制圧に成功する。 譜和は終演に際しながら爆破の動機を語り始める。妻と息子を亡くした中、35年間専属調律師として人生を共にした一揮が突如転向してしまい、今更他のピアニストにつく気にもなれず、残された生きがいだった音楽までも耳障りになったことから、一揮やホールやオルガンを、客も巻き込んで消し去ろうとしたものだった。 しかし一揮の転向の理由は、譜和の調律が年を経るにつれて狂ってきていたが、プライドの高い譜和にそれを指摘するにしのびなく、また彼以外の調律師と新たに組むことも考えられなかったためだった。 それを告げられた譜和は一揮に当たり散らすが、園子に親友に対する信頼について諭されると泣き崩れる。

ホールを出ると、バイオリンによるアメイジング・グレイスが聞こえてきた。蘭は弾き方からそれを新一の演奏と悟り、コナンから「新一が蘭と自分自身に聞かせるために弾いた」と聞くと、「今更来ても許してなんかやらない」と思いながらも微笑むのだった。

名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)

2009年4月18日公開 興行収入35億円

東京・神奈川・静岡・長野で計6人が殺害される事件が起こった。どの現場にも縦線とアルファベットが書かれた麻雀牌が残されていたことから、同一犯もしくは同一組織による広域連続殺人事件と認定される。警視庁で各県警の刑事を集めて合同捜査会議が開かれ、特別顧問として小五郎も参加する事になった。事件のうち5件はスタンガンを使って拉致され、別の場所へ移してから刺殺されたもので、6人目の犠牲者は死の前に「七夕、きょう」という言葉を言い残していた。麻雀牌は1つが一筒、ほかは七筒で、それぞれ別の位置の丸が1つずつ赤く塗られており、被害者は所持品が1つずつ持ち去られていた。

会議終了後、コナンは山村警部が童謡「七つの子」に聞こえるプッシュ音を耳にしたことを聞く。これは黒の組織のボスのメールアドレスを示すもので、それを打った刑事がジンの車である黒のポルシェ356Aで去ったことから、コナンは捜査会議に組織の人物、おそらく変装の達人であるベルモットが紛れ込んでいたことを確信する。

七夕前日の7月6日、米花町に現れた容疑者の1人が逮捕されるが、その現場には変装したベルモットもおり、それを見抜いたコナンは彼女を追い、組織が今回の殺人事件を追う理由を追求する。ベルモットによると、被害者の中に一般人を装った組織の工作員がおり、犯人に持ち去られた所持品の中に工作員のリストが収められたメモリーカードが入っていたため、組織は警察より早く犯人を押さえてそれを取り戻す必要があるのだと言う。それを聞いたコナンは事件の捜査員の中に別の組織の一員を潜入させていると気付き、ベルモットからはコードネームが「アイリッシュ」であると教えられる。捜査会議には、警視庁や各県の顔見知りの警察官たちや、埼玉県警の荻野彩実警部らが居た。

ある人物から「犯人に心当たりがある」という通報が警察に入るが、その人物は組織や警察が到着する前に拉致されてしまっていた。犯行現場を見た佐藤刑事は、現場へ向かう途中に自動車の両輪が同時にパンクしたこともあり、犯人以外になんらかの組織が動いていることや、内通者の存在を懸念する。 一方、捜査員の中に潜入したアイリッシュはコナンと新一の指紋を照合し、彼らが同一人物であるという確信を得る。

通報した人物が7人目の犠牲者として発見される中、「きょう」が「京都」と言いかけたものである可能性に気付いたコナンは平次の協力で、被害者たちが一昨年の七夕に京都のホテルで火事に遭ったことを突き止める。その火事では本上なな子という人物が死亡しており、2人はなな子がそのホテルの7人乗りのエレベータから追い出されたために逃げ遅れ、彼女の恋人であり、同じくホテルに泊まっていたものの外出していたため難を逃れた水谷浩介が復讐を図ったもので、麻雀牌の縦線はエレベータの扉、印はエレベータ内の人物配置を意味すると推理する。その後、なな子の実家を訪ねたコナンは、彼女の兄の和樹から、水谷が「許せない者が8人、まだ1人残ってます」と言っていたことを聞く。また、犯行現場が北極星と北斗七星を描いていることに気付いたコナンは最後の現場になる東都タワーを訪れ、小五郎も一歩遅れてそのことに気づき、警察もそちらへ向かう。

コナンは東都タワーで水谷と相対するが、なな子と水谷が好きだった星の位置を犯行現場に当てはめる理由が理解できなかったことや性格の違いから、犯人は彼ではなく、こちらもタワーに来ていた、和樹だということを見抜いていた。なな子は自発的にエレベータを譲ったのだが、和樹はそれでも火事の生還者たちや、駆け落ちした水谷を許せなかった。そこで水谷に対してはなな子がエレベータから追い出されたと嘘を吐き、なな子を救えなかった自責の念に駆られていた水谷に対し、自分が殺害を実行する代わりに罪を被ったうえで自殺するよう要求したのだった。 水谷もその計画に同意していたのだが、コナンに諭されて身代わりになることをやめ、和樹に自首を促すが、和樹は逆上してコナンに襲いかかる。そこに松本警視が現れ、コナンは彼が和樹を掴んだところに時計型麻酔銃を向けるが、針は外れて水谷に刺さってしまう。

この松本警視こそがアイリッシュの変装であり、コナンはベルモットがそのまま潜入を続けなかった理由を体格が大きく異なるため変装ができなかったためとの考えから、彼が偽物であると見当をつけていた。アイリッシュはコナンと新一が同一人物であることを掴んでいたが、ジンに対する恨みから、コナンをボスのところへ連れていきジンを失脚させるために、まだ誰にも話していなかった。コナンは逃げながらアイリッシュと戦い、タワーの外縁部に出るが、そこへ組織がヘリコプターに乗ってやって来る。アイリッシュはメモリーカードを取り戻したことを彼らに示すが、タワー周辺に警察が集い、逃げ切れないと判断されたため、メモリーカードともども撃ち抜かれる。コナンはアイリッシュを救命しようとするが、その行動に感じ入ったアイリッシュは組織の銃撃からコナンを庇い、死亡する。 組織はコナンをタワーの上の方へと追い詰め、姿を確認しようとするが、コナンは以前阿笠博士から貰った、100メートルまで自在に伸ばせるサスペンダーを使って飛び降り、自身は落下の勢いを殺しながら破損したライトを反動で射出することで、組織のヘリを撃墜する。

ヘリからは遺体は発見されず、全員が脱出したものと思われた。また、監禁されていた松本警視は、阿笠の通報で佐藤刑事と高木刑事によって救出された。コナンは今後組織と戦ううえで武器になると考えていたリストを入手できず、組織もコナンの正体を掴めないままの幕引きとなるが、コナンはアイリッシュが死に際に残した「いつまでも追い続けるがいい」という言葉を思い返し、組織と戦い続ける決意を新たにするのだった。

名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)

2010年4月17日公開 興行収入32億円

東京都西多摩市の国立東京微生物研究所が、7人組の武装グループに襲撃される事件が発生する。武装グループは研究所に厳重保管されていた殺人バクテリアを強奪し、研究所を爆破して逃走した。

警視庁でこの事件について記者会見が行われ、小田切警視長は無用なパニックを回避するため、報道規制を敷こうとする。しかし、会見の最中にテロ組織「赤いシャムネコ」から「殺人バクテリアを手に入れた。7日以内に次の行動を起こす。」との犯行声明がインターネット上に流されたため、報道規制は無しになる。翌日、各新聞は一面でこの事件を取り上げ、テレビも朝からこの事件の報道一色となる。

時を同じくして、鈴木次郎吉がまたもや怪盗キッドに挑戦状を叩きつけた。鈴木財閥が建造した世界最大級の飛行船「ベル・ツリーI世号」に収めたビッグジュエル「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を盗んでみろというのが今回の挑戦状である。制限時間は東京を出発する13時から大阪に到着する19時までの6時間で、キッドからは「夕方、飛行船が大阪市上空に入ってから頂きに参ります」との返事が届いた。

赤いシャムネコの犯行予告期限の7日目、飛行船は次郎吉の招待を受けたコナン、蘭、小五郎、少年探偵団、さらに中森警部ら刑事と独占取材陣たちを乗せて離陸した。ところが、各々が遊覧飛行を楽しんでいた矢先、赤いシャムネコから「殺人バクテリアを船内にばら撒いた」との脅迫電話が次郎吉にかかってくる。喫煙所を調べると、ソファーの下に赤いシャムネコのアンプルが発見された。その直後、乗客と乗務員の2人に感染症状である発疹が発生。さらに船内に侵入した、短機関銃と拳銃で武装した赤いシャムネコによって飛行船がハイジャックされ、船内に爆弾を仕掛けられてしまう。爆弾が爆発すれば乗客・乗務員全員が犠牲になる。そして、大阪上空で飛行船が爆発して細菌が飛散した場合、700万人の人々が感染の危機に晒されるというバイオハザードが発生する未曽有の事態になってしまう。コナンは少年探偵団と協力して、各所に仕掛けられた爆弾を解除していく。

全ての爆弾を解除したコナンは赤いシャムネコのリーダーによって「ベル・ツリーI世号」から投げ出されてしまう。投げ出されたコナンはキッドによって助けられ、愛知県西尾市佐久島に着陸する。コナンは「ベル・ツリーI世号」へ戻るため、キッドに新一の変装をしてもらい、高木と佐藤と一緒に飛行船を呼ぶ警視庁のヘリコプターに乗り、無事復帰を果たす。一方高木と佐藤は新一がキッドの変装と知り、新一がキッドと疑う。

一方、その間にテロリストが飛行船のハイジャックテロとバイオテロの情報をネットでばら撒き、感染を恐れた人々はパニックに陥って我先にと大阪より西の地域へ脱出を図り、街はもぬけの殻になる。さらにテロリストは奈良市上空で発煙筒を焚き、飛行船が墜落しかけているかのように見せかけ、パニックに陥った市民は奈良から我先にと逃げ出す。平次から情報を得たコナンは、犯人たちの真の狙いは無人となった奈良の興福寺から国宝の仏像を盗み出す事だと気付く。コナンは赤いシャムネコのメンバーを一人ずつ気絶させていき、リーダーも「キック力増強シューズ」によって倒される。

一方船内では、蘭に炎症が起き、感染が疑われるため、喫煙室に入る。だがコナンが殺人バクテリアの正体が漆であることを暴き、蘭を安堵させる。コナンは真の犯人が藤岡ということを見抜き、藤岡に拳銃で打たれる。その頃、時を同じくして平次は、仏像を盗もうとしたニセ警官を逮捕した。そしてコナンは、「どこでもボール射出ベルト」を使い、サッカーボールをアドバルーン大に膨らませ、明石海峡大橋に引っ掛けて飛行船を傾かせ、藤岡を落とす。

名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)

2011年4月16日公開 興行収入31.5億円

8年前、新潟県北ノ沢村で、双眼鏡を首から下げた幼い少年(立原冬馬)が黒い影に追われて必死で逃げていた。無我夢中で逃げていた少年は、足を踏み外して崖から転落、意識を失ってしまう。意識を失った少年を崖の上から確認し、ほくそ笑む黒い影。

そして現在、再選を果たした朝倉優一郎都知事に、何者かから脅迫状が送りつけられた。その翌日、朝倉都知事が開通式に出席した都営地下鉄15号線・東都線のトンネルが爆破される。だが直前に爆弾に気づいたコナンの活躍により、1人の死者を出すこともなく、大惨事は食い止められた。

コナンはこれを朝倉都知事を恨む者による犯行なのかと疑う。鍵を握るのは朝倉都知事が国土交通大臣だった頃に建設したダムだと睨んだコナンは、再び大惨事をもたらしかねない危険な犯人を追うべく、蘭や少年探偵団たちと共にダム建設のため湖に沈められ移設された村「新潟県北ノ沢村」を訪れる。

北ノ沢村では移設5周年を記念したスノーフェスティバルが開催されており、多くの人々で賑わっていた。犯人を見付け出すべく調査を開始するコナンは、8年ぶりに集まったという立原冬美・山尾渓介・氷川尚吾・遠野みずき・武藤岳彦の現地出身の幼馴染5人組に出会う。そこで8年前、遠野の妹は山尾にはねられていたことも知る。

その翌日、冬美の息子、冬馬が目を覚ます。彼は8年前に崖から転落して頭を打ち、以来今日までずっと昏睡状態に陥っていた。また、その転落事故と同じ日に、村内ではひき逃げ事件が発生していた。冬馬の転落事故とひき逃げ事件との関係や、地下鉄爆破事件との関係の鍵は冬馬が握っているが、彼は体は15歳だが精神が崖から落ちた当時の7歳のままであり、さらに崖から落ちた日の記憶を失っていた。

コナンが調査を進める最中、幼馴染5人組の1人、氷川の遺体が雪原上で発見される。一方、冬馬は徐々に記憶を取り戻していき、少年探偵団と冬馬が出かけると、冬馬への口封じを狙ったと見られる発砲事件が発生する。

その頃、フェスティバルの会場は携帯電話の基地局が爆破されたことにより、パニック状態に陥っていた。コナンと哀は、フェスティバルで人が少なくなったタイミングを狙って犯行を起こそうとしていると推理し、銃で狙われているという探偵団の元へ急ぐ。探偵団と共に逃げている最中、コナンはダムに仕掛けられた爆弾を発見し、山尾が8年前宝石強盗で奪った宝石がダムに沈み、それを取り出すためにダムを爆破しようとしていることを掴む。さらに、8年前と現在、冬馬を追っていた犯人はみずきで、8年前、頑なにモデルになりたいと押し通す妹に憤慨し、雪坂から突飛ばしたところを冬馬に見られていた為、殺害しようと追っていた。

無事に犯人は2人とも逮捕に至ったが、爆弾のスイッチはすでに押されており、ダムが爆破され水が流れ出すと、村が壊滅の危機に瀕する。コナンはそれを止めるため、スノボーで使われていないスキー場の雪を使い、雪崩を起こし水の流れを変えて水没を防ぐが、自身まで雪崩に巻き込まれてしまう。雪崩に巻き込まれた際のタイムリミットは15分とされており、その時間が刻一刻と迫るが、蘭がコナンの携帯電話に発信して鳴った着信音と、コナンがベルトから射出したサッカーボールを頼りに見付け出し、無事コナンを助け出すことに成功する。

名探偵コナン 11人目のストライカー

2012年4月14日公開 興行収入32.9億円

コナンや少年探偵団は現役プロサッカー選手が指導を行うサッカー教室に参加した。そこで小五郎は、大学時代の後輩の榊良輔と再会を果たす。現在は少年サッカーチームの監督をしている彼はその昔、重要な試合でオウンゴールを決めてしまい優勝を逃すという苦い経験があった。榊は、小五郎のファンだという少年サッカーチームのスポンサーである本浦圭一郎を紹介される。本浦は病死したばかりのサッカー好きの息子の知史のことで心が癒せずにいた。そのほかにも日売テレビに勤める山森慎三、芸能カメラマンの香田薫、怪我でJリーガーへの道を絶たれた中岡一雅など様々な人物がそのサッカー教室に集まっていた。

それから2週間後の昼下がり、毛利探偵事務所に爆破予告の電話が掛かってきた。小五郎は当初イタズラだと考えるが、その直後に事務所前の路上に停められた車が爆発し、爆破予告は本物だと分かる。犯人は「これから言う暗号を解いて爆弾を見つけないと、次は大勢の死傷者が出る」と脅す。

『青い少年と青いシマウマ、上からの雨、下から人が左の手でそのまま示すのは左の木』
『次は米花。ネクスト米花』

2つの暗号を手掛かりに爆弾を見つけるため、蘭と小五郎は目暮警部らと町中を駆け回るが、一向に手掛かりがつかめない。蘭は藁にもすがる思いで新一の携帯へ連絡を取る。

その頃、コナンと少年探偵団は東都スタジアムでJリーグの「東京スピリッツVSガンバ大阪」の試合を観戦していた。前半終了後のハーフタイム、コナンは蘭からの電話で爆破予告のことを知り、暗号解読に乗り出す。タイムリミットが刻々と迫る中、コナンは暗号の解読に成功し、爆弾が今いる東都スタジアムに仕掛けられていることが判明する。爆弾の解除が間に合わず大規模な爆破が起きてしまうが、暗号を解いて事前に観客を避難させていたため、幸い死者を出さずに事なきを得た。

だが、犯人からの挑戦はこれで終わらなかった。小五郎宛てに「次はさらに多くの人が集まる場所に爆弾を仕掛ける」という脅迫状が届く。次はどこに爆弾を仕掛けるつもりなのか。コナン達は推理を巡らせるが、犯人が仕掛けた罠はコナン達の想像を遥かに超えた恐るべき規模のものだった。Jリーグすべてを巻き込む犯人の巨大な陰謀にコナンが挑む。

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)

2013年4月20日公開 興行収入35.7億円

早朝、京都府の舞鶴湾で巡回中の海上保安官・倉田正明が、自爆用の爆弾を積んだ1隻の不審船を発見する。

同日、舞鶴湾で海上自衛隊によるイージス護衛艦「ほたか」の体験航海が開催され、参加者の中には高倍率の抽選を当てたコナン一行も含まれていたが、不審船の騒ぎにより入艦の際の検査が厳しくなり、携帯電話も取り上げられてしまう。井上文忠航海長の案内の下、順調に航海スケジュールをこなしていくが、CICでの対空対潜戦闘の訓練が終了する直前に未確認物体が艦へ接近し、艦内は物々しい空気に包まれる。航海長の機転により訓練であるとごまかすことができ、接近物も潮流によって流されてきたただの廃船だったため、大きな混乱はなかったが、コナンはこの騒動に疑問を抱く。

その後、前甲板を見学中のコナンは対空対潜戦闘の訓練中に1人で居た少年・雨宮勇気に声をかける。勇気や少年の父親と別れた直後、コナンはイージス艦には乗組まない女性自衛官である藤井七海と遭遇する。藤井にどんな仕事をしているかコナンが尋ねると、乗組員の食事を作っていると言うが、階級章が1等海佐で、幹部自衛官は指揮が職務であり現場での作業を行わない上、1佐ともなればイージス艦など大型艦艇の艦長クラスであるため、疑問を持ったコナンは藤井を疑い灰原に女性自衛官の写真を送って、藤井の所属先の調査を依頼する。調査を開始しようとするコナンとそうとは知らずトイレに行こうとするコナンに付き添う蘭は、トイレに行く道を間違え自衛官・笹浦洋介の左腕のみが発見された現場に遭遇してしまう。蘭が小五郎の名前を出して捜査への協力を申し出る一方、コナンは大阪の平次に連絡し捜査への協力を頼む。その直後、外部との連絡が巡回中の海上自衛官に発覚しそうになる。また、海上自衛官の無線機でスパイX(エックス)の存在を知る。

平次は、若狭湾の造船場で笹浦の左腕のない溺死体を発見し、首に血ではない赤い塗料が付着しているのに気が付く。そのころ、目暮警部を含む警察官たちも海上保安官らとヘリでイージス艦に合流して捜査を開始するが、海上自衛隊側は何かを隠している様子だった。その後、マイクロSDの抜かれた被害者の携帯電話が艦内で発見され、笹浦がイージス艦のデータをコピーしていたことが分かる。

艦長室で不審な行動をする藤井を見掛けたコナンは、藤井がパソコンに出したデータの一部を入手し、そのデータを衛星電波を介して阿笠博士に送る事で、衛星電波を感知した目暮警部たちを艦長室に呼び出すことに成功する。藤井たちは不審な行動を問われ、遂に重い口を開く。藤井は情報保全隊員で、某国のスパイXを逮捕するために乗艦していた。Xは、イージス艦の機密情報を手に入れるため侵入したが、マイクロSDは藤井が持っているのになぜそのことを言わないのかコナンは疑問を抱く。室内の通信機器を調べるために所持品を回収されそうになったコナンは、小五郎に盗聴器を付けてその場を立ち去る。

ヘリで京都府警の綾小路文麿とその部下・車折刑事が合流した。そのころ平次は阿笠博士と合流し、灰原が赤い塗料の鑑定をした結果、赤い塗料は船の塗料として用いられるTBTと分かり、笹浦の胴体は海流によって流されたわけではなかったことも分かる。また、コナンが送ったデータはイージス艦のデータの一部と分かり、そのデータは笹浦がネットのクラウドサービスに1度保存し、その後に携帯のデータカードにコピーしたものであることも分かる。コナンは、なぜ笹浦がイージス艦の情報を民間のクラウドサービスに保存したのか疑問を抱く。

コナンは小五郎に付けた盗聴器で拾った会話から、笹浦が今朝5時半頃日の丸の旗をふっているところを観光船の職員が目撃していたことを知る。また、笹浦がイージス艦のデータを流出させたことが分かった。

対空対潜戦闘の訓練が終了する直前に未確認物体が艦に接近する騒ぎで艦長がCICに来て、艦長室が無人だと推理したコナンは、勇気の父親がXだと気付き、直ちにXに会いに行く。コナンは、Xに船が揺れた時に艦長室に居たことと、雨宮さんと言った時すぐ振り向けなかったことや、勇気の薬は塗り薬ではなく飲み薬であること、そして勇気はアトピーではなく食物アレルギーであることを次々に言い当てXを追い詰める。コナンは、ボール射出ベルトからボールを出そうとするが、小五郎の名刺のせいで転んでしまう。周囲に参加者が居たおかげで殺されずにすんだが、勇気にお父さんが殺されると言われ、Xを追うのを一旦やめる。

勇気を取り返したXは、立ち入り禁止のエリアを2人で歩いている所を蘭に目撃され、更に話し掛けて来た蘭に対し勇気がこの人はスパイだと真実を明かしてしまう。蘭はXと戦うことになって空手で追い詰めるが、Xの卑怯な方法で海に落とされる。そのころ平次と和葉は、関西国際空港で竹川を探しており、和葉は竹川を見付ける事に成功するが拳銃を突き付けられる。

コナンは、ボールを蹴りXに当ててXを無事逮捕、平次もかすり傷こそ負ったものの竹川を逮捕することができた。その後、阿笠博士からの連絡を受けたコナンは、小五郎に麻酔針を撃ち、笹浦を殺したのは倉田であるという推理を披露する。容疑者も捕まって一件落着と思いきや、スパイと戦ってから蘭が消えたことが勇気の証言によって発覚し、Xも蘭を口封じのために海に落としたと自供する。

一行はヘリを出して蘭を探すがなかなか見付からない。日没の5時になると海水の温度が下がるので、タイムリミットはあとわずかと言う時に、コナンは光彦が蘭に渡した電波時計のことを思い出す。光彦に確認すると、電波の受信は午前と午後の5時ちょうどだと言うので、電波探知装置を用意するが反応はない。それでも一行は懸命に捜索を続け、時間が経った頃に電波の感知にようやく成功する。ヘリの操縦士は海水の反射で要救助者である蘭が見えないと言う状況に陥るが、蘭は小五郎の金の名刺に反射して光っていると考えたコナンの指示により、無事に蘭を発見することに成功する。

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)

2014年4月19日公開 興行収入41.1億円

ある日、コナンたちは東京を一望できるベルツリータワーのオープニングセレモニーに参加した。しかし、展望台からの絶景を楽しんでいる一同の目の前で突如、男性客の1人が謎のスナイパーに狙撃されて死亡する。コナンは狙撃ポイントが彼方のビルであることを突き止め、ターボエンジン付きスケートボードで急行する。

現場に居合わせた世良真純に助けられながら必死に犯人を追跡するが、パトカーを手榴弾で爆破するなど逃走するために手段を選ばない犯人に翻弄され、コナンと真純は犯人の標的になってしまう。駆けつけたFBIによって形勢は逆転するが、あと少しのところで犯人を取り逃がす。一方、犯人が狙撃したポイントには、1発の空薬莢とサイコロが置かれていた。

後日、FBIと警視庁の合同捜査が開かれ、そこで容疑者として浮上したのはティモシー・ハンターという男性だった。ハンターは元ネイビーシールズの隊員で、狙撃の名手として有名だったが、交戦規程違反の疑惑がかかって除隊していた。そして、ベルツリータワーで狙撃された藤波宏明は、彼に高額の不良物件を売り付けて破産の原因を作っており、真純が探偵として追っていたという。また、アメリカでもハンターを執拗に取材して記事を書き立てた記者が狙撃される事件の後、ハンターは日本に渡っていた。捜査本部はハンターを最重要容疑者として、今後彼に狙われる可能性のある3人の人物を挙げた。

その3人のうち1人である森山仁に見覚えのあった真純は、彼の自宅を突き止めてコナンと共に訪れる。しかし、その森山がコナンたちの目の前で狙撃され、第2の犠牲者となってしまう。

そして、立て続けに第3の狙撃事件が発生するが、射殺されたのは一連の事件の犯人と思われていたハンターだった。犯人がハンターではなかったことの謎や次は誰が狙われるのかといった情報が錯綜する。また、日本で前例のない連続狙撃事件であるうえ、無差別殺人ではないかとの憶測も飛び交い、東京中がパニックに陥ってしまう。

コナンはハンターについての情報を新たに入手すると、そこから日本における狙撃が彼のものではない可能性に気付いて高木刑事に連絡し、標的となっているビル・マーフィーとジャック・ウォルツの情報を聞き出す。そこで、第4の狙撃がマーフィーを標的としていることを突き止めたコナンは、狙撃を阻止しようと第4の狙撃ポイントへ向かう。しかし、すでに犯人が狙撃地点にいることに気付いて何とか狙撃を妨害しようとしたものの、コナンは逆に犯人から狙われたうえに自分をかばった真純が撃たれて負傷し、マーフィーへの狙撃も遂行されてしまう。

現場に残されたダイスから、犯人が最後の狙撃を計画していることをコナンは突き止めるが、狙撃ポイントが分からず悩んでいた。しかし、入院中の真純を見舞いに行った際、少年探偵団が持参していたベルツリータワー周辺のジオラマを見て狙撃ポイントを推測したコナンは、そこを訪れたうえで犯人が狙撃ポイントからどの辺りを狙撃するのかも突き止める。

一方、ジャック・ウォルツはカルロス・リーを通じてマーク・スペンサーから狙撃用のライフルを受け取っていた。その際、ウォルツはスペンサーがすでにこの事件の真相と動機に気付いているという旨のメッセージをカルロスから受け取り、犯人を射殺する決意を改めて固くする。だが、夜になって一度昼に訪れていた狙撃ポイントを訪れたウォルツは、昼間には無かった犯人からのメッセージが窓に貼られていることに動揺し、犯人はその隙を突いてウォルツに狙いを定める。

狙撃ポイントであるベルツリータワーの屋上で犯人であるケビン・ヨシノが狙撃の成功を確信した瞬間、何かの物体がウォルツの居るビルへ向かって飛んで行き、彼への狙撃は失敗する。物体の飛跡をたどったケビンはマーフィーの狙撃時に見たコナンを発見し、銃口を彼に向ける。コナンはビルの屋上でスケボーを使って逃げ回るが負傷してしまい、窮地に陥る。

しかし、独自の推理で犯人の最後の狙撃ポイントを突き止めていた沖矢昴がライフルで応戦し、ケビンはスコープ越しに被弾する。それでもケビンはタワーを停電させたうえで展望フロアに下り、貸切でタワーからの夜景を楽しんでいた蘭と園子、そして少年探偵団に銃口を向け、歩美を人質に取る。コナンからの連絡を受けて現場に到着したFBIも加わり、DBバッジのモスキート音を利用した少年探偵団の作戦などで応戦するが、コナンの意図を汲み取れないまま反撃した蘭は、ケビンに人質とされてしまう。

窮地の中、コナンはライトスコープを着用中のケビンをボール射出ベルトの花火ボールの閃光で怯ませ、その隙に昴はケビンの手を狙撃して銃を弾き飛ばすと、蘭がケビンを鎮圧してキャメルが身柄を確保する。昴がジェイムズ・ブラックと連絡を取った後、チョーカー型変声機のスイッチを切って赤井秀一の声で「了解」と呟いたところで、物語は終幕を迎える。

名探偵コナン 業火の向日葵

2015年4月18日公開 興行収入44.8億円

ニューヨーク・マンハッタンのオークションで、かつてゴッホが2番目に描き、第二次世界大戦時の芦屋空襲で焼失したとされる『ひまわり』の模写が出品された。その模写を3億ドルで落札したのは鈴木財閥の相談役である鈴木次郎吉だった。オークション終了後の記者会見で、次郎吉はゴッホの『ひまわり』を7つ全て集め、日本で「日本に憧れたひまわり展」を開催すると宣言し、『ひまわり』を守るための7人のサムライを紹介する。しかしその時、会場にキッドカードが撃ち込まれ、怪盗キッドが姿を現した。警備主任のチャーリーが追い詰めるも、キッドは閃光弾を放ち逃亡する。

次郎吉は突如その場に現れた工藤新一や鈴木園子及び7人のサムライ達を乗せて、ボーイング747の特別塗装機「サンフラワージェット」で『ひまわり』を羽田空港へ輸送する。しかし、空港到着間際に貨物室の外に仕掛けられた爆弾が爆発して『ひまわり』が機外に吹き飛ぶと同時に火災が発生し、サンフラワージェットは操縦が効かなくなり機内はパニックに陥る。同時に、『ひまわり』を抱えて羽田空港上空を飛ぶキッドを発見したコナンは追跡を開始し、空港ビルの上にキッドが何も持たずに立っているのを発見するが、取り逃してしまう。しかしながら、サンフラワージェットは辛うじて着陸に成功し空港のターミナルビルと衝突寸前で停止。ビルの屋上でキッドが隠した『ひまわり』も発見され、学芸員の鑑定で損傷無しと確認されたので、改良された次郎吉の金庫「鉄狸改」に保管されることになった。

飛行機の爆破がキッドの仕業ではないかと囁かれる中、園子は「キッドは人殺しをするような人じゃない」と否定するが、チャーリーは「キッドは目的のためなら手段を選ばないテロリストだ」と取り合おうとしない。一方、コナンはこれまでのキッドの手口との違いなどから、「何らかの事情による犯行」なのか、それとも「偽者のキッドによる犯行」なのか、と考えを巡らせる。

7人のサムライによる会議の日、毛利探偵事務所にキッドから新たな予告状が届く。その予告状を見た東 幸二は、三幅対の左側の最初の模写、つまり東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にある『5枚目のひまわり』であると解読し、美術館へ向かう。偶然、同じ美術館に少年探偵団や阿笠博士と一緒に来ていたコナンも、新たな予告状の存在を知って7人のサムライ達と合流し、狙われていると分かった『ひまわり』を金庫の中に避難させるため、急遽運び出すことになった。ところが館内に潜入していたキッドに『ひまわり』を奪われ、代わりに美術館館長宛ての『ひまわり』を100億円で譲るとのメッセージだけが残された。

次郎吉はキッドに100億円を支払い取引をすることを決めるが、取引時刻になると同時に取引場所であるホテルの部屋の窓に仕掛けられた爆弾が爆発し、突入したコナンとチャーリーは無事に『5枚目のひまわり』を取り返すことには成功したものの、発見したキッドは取り逃してしまう。キッドの目的について、2枚目と5枚目の『ひまわり』以外は眼中に無いということ以外に何も掴めないまま、レイクロックで「日本に憧れたひまわり展」が開幕する。しかし、館内に新一が居たという園子の発言をきっかけに、コナンが館内でキッドカードを発見したことでキッドの侵入に気づいた次郎吉は、7人のサムライと中森、後藤、蘭、園子、コナン、そして自分を含めた13人を除く客とスタッフを全員退館させるが、火災が発生する。2枚目と5枚目の『ひまわり』以外の無事を確認すると先述の13人も退館するが、残っていた2枚の『ひまわり』が気になったコナンが館内に戻ると、それを追うように蘭も館内に戻ってしまい、コナンと蘭、そして『ひまわり』が業火の危機に晒される。

美術館の外では、何者かからトランシーバーで指示を受けた後藤によって貯水タンクが爆破された上に、蘭とコナンが火災で今にも崩壊しそうな美術館の中にまだ残っていると分かり、騒然となっていた。そんな中、炎の燃え盛る美術館内では、ある人から依頼を受けて真犯人から『ひまわり』を守るために今回の一連の犯行に及んでいた、という巨大な宝石(=ビッグジュエル)しか狙わないはずのキッドの本当の狙いを見抜いたコナンが、キッドやそこへ駆け付けた蘭とともに協力し、無事に『ひまわり』を守り切ることに成功する。

非常時に7枚の『ひまわり』が自動的に集積されて来るはずの搬出口では、7人のサムライが集積されて来た『ひまわり』の枚数を数えていたが、全て数えても『ひまわり』が6枚しかないことに気付く。そこへ新一から連絡が入り、今回の『ひまわり』に関する一連の事件はキッドによる犯行ではなく、7人のサムライの1人である宮台なつみによるものだと告げ、彼女の動機と犯行に使われたトリックを暴く。全てを暴かれたなつみは目暮警部によって連行され、2枚目の『ひまわり』が無事であることも新一から告げられたが、一方で美術館内ではコナンと蘭が美術館の崩壊という窮地に陥ってしまい、何とか脱出する方法を思案する。そこでコナンは、ボール射出ベルトの花火ボールを蹴る方法を思い付き、辛くも脱出に成功する。

キッドは気絶している蘭をハンググライダーで運び出して川岸に横たえた後、近くの木陰に隠れていた。それから暫くして、園子やチャーリー達が蘭を発見し、まだ脱出して来ないコナンを蘭の傍らで待っている彼らとともに、キッドは隠れている木陰からそっとその様子を見守っていた。そして、コナンが『ひまわり』とともに川底から浮上して来る様子を見届けたキッドはその場を静かに立ち去ろうとするが、その時キッドの踏んだ小枝の音に気付いたチャーリーが、キッドの背後へ静かに近付きながら銃口を向け、キッドに今回の犯行の真意を問う。その問いに対してキッドは「ある依頼人の想い出を守るため」とだけ答え、チャーリーとお互いの誤解を解いてから姿をくらまして終幕を迎える。

名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)

2016年4月16日公開 興行収入63.3億円

ある日の夜、警察庁内に何者かが侵入し機密データを閲覧していた。これを察知した安室透や風見裕也ら公安警察は侵入した女と対峙するも、警察庁内から逃げられてしまう。車で逃走する女を追う安室、そしてFBIの赤井秀一を加えた三者によるカーチェイスが繰り広げられる。女は逃げながらも「ノックはスタウト、アクアビット、リースリング。あなたが気にしていたキール、バーボン」とのメールを誰かに送信していた。赤井は女の進路を先読みして車のタイヤを撃ち抜き、橋から落下させて爆発に至らせるが、捕縛するには至らなかった。一方、カーチェイスから命からがら逃げのびた女は、東都水族館の多色ライトを目撃すると同時に頭をおさえて苦しみだし、気を失う。

翌朝、謎の爆発事件がニュースで報道される中、コナンと少年探偵団一行はリニューアルオープンの日を迎えた東都水族館を訪れていた。コナンたちはそこで、記憶を失ったオッドアイの女に遭遇する。コナンはガソリンの臭いや割れた車のフロントガラスの破片などから昨夜の爆発事件との関連を疑い、警察に連絡を取ろうとするも記憶を失った女に拒否されてしまう。そこで彼女を知る人物を探すため東都水族館で情報収集を開始する少年探偵団であったが、歩美、光彦、元太の3人は捜査もそっちのけでダーツなどして謎の女と遊び、一方でコナンは蘭や警察に記憶喪失の女のことを伝える。

時を同じくして、ベルモットが東都水族館内で誰かを探していた。彼女が探していたのは、少年探偵団と行動を共にしていた謎の女だった。

東都水族館で情報収集を続けるコナンと灰原だったが、そのころ阿笠博士と少年探偵団の3人、謎の女はリニューアルの目玉のひとつである世界初の二輪式観覧車の列に並んでいるところだった。ベルモットはその途中で謎の女に声をかけるが、謎の女は身に覚えがなく、そのまま観覧車へと向かっていく。道中でコナンたちを見つけた元太は身を乗り出して、そのまま地上へ落下してしまうが、謎の女は元太を助けるために自ら飛び降り、人間離れした身のこなしで無事に元太を救出する。異なる目の色にダーツの腕前やその身体機能から、灰原は記憶喪失の女が黒の組織のNo.2であるラムではないかと疑う。ラムの素性は謎が多く、このままでは皆が危ないと心配するが、歩美たち3人と謎の女はこっそり観覧車に乗った後だった。その観覧車の上空で謎の女が苦しみだし、「ノックはバーボン、キール、スタウト、アクアビット、リースリング…」と呟く。歩美から連絡を受けたコナンは、謎の女が言った「スタウト」「アクアビット」「リースリング」が酒の名前であることから、彼女が組織に関係していることを確信する。そして、謎の女はそのまま警察病院へ搬送された。

一方、組織のコルン、キャンティ、ジン、ウォッカは世界各地でスタウト、アクアビット、リースリングを次々と射殺し、その後、日本で安室と水無怜奈を処刑しようとしたが、コナンと赤井の機略により安室の逃走を許してしまう。その直後、ラムからの命令を受けたジンたちは怜奈を放置し、組織の一員である謎の女の奪還へと向かうのだった。

警察病院では、謎の女の身柄を警視庁捜査一課から公安へと引き渡さざるを得ない状態となり、風見たち公安は安室の指示で謎の女と共に東都水族館へ向かう。また、コナンはFBIと接触し、謎の女のコードネームが「キュラソー」で、ラムの右腕であることを知る。そして、酒のキュラソーに5種類の色がある事と彼女の特殊な脳の損傷から、彼女の持っていた色違いの5枚組の半透明シートの意味をコナンは見出す。その推論からコナンは、キュラソーが東都水族館の観覧車の頂上で多色ライトを見ると記憶が戻る事に気が付き、急いで東都水族館へと向かう。

東都水族館では、少年探偵団の子供たちを特別に観覧車に乗せるために、園子が鈴木財閥のコネを使って一方の観覧車を貸切にしていた。そこへキュラソーを連れた風見が到着し、園子が特別に貸し切った側の観覧車に乗る事になる。手錠で拘束した状態にしたキュラソーとともに観覧車に乗り込もうとする風見に対し、何とか水族館に到着したコナンはそれを止めようと叫ぶが、声は届かず乗り込まれてしまう。従業員に扮した安室はその様子を見届けながら、スタッフにしか入れないスペースへと進入する。

何とか観覧車の頂上まで登ってきた安室は先に到着していた赤井を見つけ、「日本の警察は信用できないのか」と挑み掛かり、赤井は「狩るべき相手を見誤らないで戴きたい」と言いながらも応戦する。2人は互角かつ熾烈しれつな戦いを繰り広げるが、そこへ赤井を探していたコナンが到着し、観覧車に爆薬が仕掛けられている事を伝えると、2人は戦いを中断し、安室は赤井から受け取った工具で起爆装置の解体に取り掛かる。赤井の調査により、仕掛けられた爆薬は威力の高いC-4である事が判明し、安室は起爆装置の解体を急ぐ。

組織のジン、ウォッカ、キャンティ、コルンは特別に用意したオスプレイに乗り込み、ベルモットから送られてくる地上からの合図を待っていた。そして、キュラソーの乗ったゴンドラが頂上に到達した瞬間、ベルモットの細工により水族館以外の区域が停電し、ジンたちの乗ったオスプレイは観覧車へと近付く。多色ライトを見たことで全ての記憶を取り戻したキュラソーは、風見を気絶させて手錠を取り外し、ベルモットと連絡を取ってジンが自分を回収しようとしている事を知る。オスプレイの下部からはアームが現れ、キュラソーの乗ったゴンドラを掴むが、走り去る人影が見えた事から、一行はセンサーカメラでゴンドラ内部の人影を探索する。モニターに映し出された映像には少年(コナン)と成人男性(風見)の影しかなく、キュラソーが脱走した事を知ったジンはゴンドラを捨てて、オスプレイに搭載したIDWSで観覧車への銃撃を開始する。

動くものに対して銃撃している事からコナンと赤井、安室は身動きが取れずにいた。一方、キュラソーはコナンを探しに東都水族館へ来ていた灰原と遭遇し、その言動から彼女が幼児化したシェリーであることを見抜く。キュラソーを見た灰原は恐れおののき落下しそうになるが、キュラソーに助けられる。自分を助けた理由を尋ねた灰原に対しキュラソーは「今の自分の方が気分が良い」と組織を裏切った事を告白する。更に同じ観覧車に少年探偵団の子供たちが乗っている事を灰原から聞いたキュラソーは、灰原に子供たちを托し逃げるよう促した後、おとりとなって飛び出す。

激しく動く人影を見つけたウォッカは、そのフォルムと動きからキュラソーである事を見抜き、ジンたちは標的をこの人影に絞る。そして、攻撃が一か所に集中している事を察知したコナンと赤井が動き出す一方で、安室はあと少しと言う所で停電の影響を受けたが、ジンが起爆スイッチを押す直前で起爆装置の解体に成功した。起爆装置が解体されたことを知ったジンは、コルンに命じて観覧車の車軸を銃撃させ、観覧車もろとも中にいる人間を抹殺しようとする。

オスプレイの体勢を崩し5秒の間にローターの部分を撃ち抜きさえすれば、オスプレイの撃墜も可能と言う赤井の話を聞いたコナンはオスプレイの体勢を崩す策を思い付くが、夜の暗がりにオスプレイが紛れて攻撃体勢に入れない。5秒間だけオスプレイが見えれば良いと聞いた安室は、大量の爆薬を詰め込んだ袋を投げ空中で爆発させ、爆発の明かりでオスプレイの位置が見えたコナンは花火ボールを蹴り上げ、オスプレイに当てた後にその上空で爆発させ、その間に赤井がローター部分への狙撃を成功させる。

ジンたちはオスプレイが墜落していく中でも観覧車の車軸を集中的に射撃し、車軸が外れた事を確認して離脱する。灰原と少年探偵団が乗っていた観覧車は脱輪した上に水族館へと向かって転がり出し、蘭や園子を含む客たちは奥のイルカショー会場へ避難する。コナンは固定されている観覧車と伸縮式サスペンダーを使って繋げるべく、安室の手を借りて飛び移り、赤井と協力して固定するが、観覧車は止まる事無く水族館を破壊し、イルカショー会場を目掛けて接近し続ける。コナンがボール射出ベルトのボールを前方に向かって膨らませてもなお観覧車は止まらなかったが、目覚めていたキュラソーが観覧車を止めようと、重機で特攻を行う。何とか観覧車を止めることに成功したが、自身は重機もろとも潰され爆発に巻き込まれた。

事件後、キュラソーは遺体で発見されるが、公安の風見らが確認した時には身元の判別も不可能な状態だった。遺体の手から遺品が落ち、コナンはそれが黒焦げになったイルカのストラップだと確信する。公安の風見はストラップをキュラソーの記憶装置といぶかしむが、コナンは「いや、記憶じゃない、思い出だよ。黒焦げになっちまったけどな。」とそれを否定する。

後日の阿笠邸では、キュラソーの死を知らない少年探偵団が彼女と本当に友達になれたのかと嘆いていたが、それに対し蘭は「こんなに思われているならもう友達なんじゃない」と優しく諭す。その様子を見て、少年探偵団との触れ合いがキュラソーの「心の色」を変えたのだとコナンが確信する場面で終幕を迎える。

名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)

2017年4月15日公開 興行収入68.8億円

ある日の早朝、京都・東山のある屋敷で、百人一首の団体「皐月会」の会員である矢島俊弥が昨年の皐月杯の映像を見ながら百人一首の札を並べていた。彼は何かに気付いてほくそ笑むが、直後に屋敷に侵入してきた何者かに日本刀で撲殺されてしまい、部屋に散らばった無数の百人一首の札に、彼の血が大量に飛び散った。

同日の午後、コナンと蘭、少年探偵団一行は、皐月会の会長である阿知波研介との対談を行う小五郎に同行し、皐月会が主催する大会「高校生皐月杯」が行われる日売テレビを訪れた。そこでコナンたちは、服部平次や遠山和葉と合流し、彼らと同じ改方学園の大会出場者である枚本未来子に出会う。大会のリハーサル収録を見学し終えて控え室に向かう途中で、百人一首の高校生チャンピオンの大岡紅葉と対面したコナンたちは、彼女が平次を見るなり「会えるんやないかと思てました。ウチの未来の旦那さんに…」と涙を浮かべながら呟いたことに驚く。

そのころ、大阪府警に「日売テレビを爆破する」との爆破予告のメールが届き、服部平蔵・遠山銀司郎・大滝悟郎らが対応を協議していた。爆破予告のメールには百人一首の札の画像が添付されており、「悪質なイタズラ」ではないかとも考えられていたが、「イタズラやなかったら大事やぞ」と危惧する平蔵の意向により、日売テレビに避難要請を出す。

要請を受けた日売テレビは、爆破予告の件を周囲に知られないようにしつつ、ビル内にいる全員に避難を呼び掛ける。突然の避難勧告発令に疑問を抱きながらも、コナンと少年探偵団、蘭と小五郎は外へ避難する。平次と和葉も避難を開始するが、未来子がスタジオに残されていた決勝戦用の百人一首の札を取りに戻ったため、彼女を追って引き返す。しかし、平次らがまだビル内にいる間に突如大規模な爆発が起こる。平次らを見失った未来子は警備員とともに無事外に避難したが、その直後に2回目の大爆発が起こり、平次と和葉は崩壊するビル内に取り残されてしまう。それに気付いたコナンは、万が一の時のために用意していたスケートボードで2人の元へ向かい、コナンの手助けの下、平次は和葉を抱きかかえながらビルから降りて間一髪助かる。

爆破予告が実行された場合に備えていた警察と消防の迅速な対応もあり、テレビ局爆破による死者は1人も出ず、百人一首の札も無傷で済んだ。しかし、その札を守ろうとした未来子は腕を骨折してしまい、大会を辞退せざるを得なくなる。未来子は和葉に自分の代わりに皐月杯に出場するよう説得するが、直後に和葉は紅葉から皐月杯で勝ったほうが平次に告白する権利を得るという挑戦状を叩きつけられ、平次を取られたくない和葉は、紅葉の挑戦を受けて立つと宣言する。和葉はその夜からかるたの猛特訓を行い、平次の依頼で駆け付けた平次の母で元クイーンの服部静華に師事し、徹底的にかるたの腕を磨いていく。

ほどなくして「矢島俊弥が何者かに殺害された」という知らせが阿知波の元に届き、小五郎は彼と共にパトカーで京都の現場に駆けつける。コナンも平次と共にバイクで現場へ向かい、小五郎達よりも前に現場へ到着していた京都府警の綾小路文麿の案内で、遺体が発見された部屋へ通される。そこでコナンたちは、矢島の血痕が付着した大量のかるた札が散乱している様子を目撃する。平次とコナンは、綾小路の許可を得て簡単な現場検証を始め、矢島の手の血痕から彼が散乱しているかるた札の一枚を持っていたことを突き止め、コナンは現場の写真を灰原に送り矢島がどの札を持っていたのかの解析を依頼する。次に、2人はテレビのリモコンに付着した血痕から、矢島が殺される直前にテレビで何かを見ていたと踏み、テレビの電源を入れるとそこには紅葉の姿が映し出されていた。この後、小五郎によって強制的に外へ出された2人は、現場に到着したばかりの関根康史を見つけ、関根と阿知波らの会話を聞いていた平次とコナンは、ある違和感に気付く。テレビ局の爆破事件も矢島の殺害も「皐月会」を狙っていることから、コナンは阿知波を、平次は後から来た綾小路警部と共に紅葉を見張る。

翌日、矢島邸での言動に疑問を抱いた平次とコナンは、関根が矢島の殺害犯ではないかと睨み問い詰めるが、関根はそれを否定し皐月杯のリハーサルのために阿知波や紅葉とともに3人それぞれ別々の車で阿知波会館に向かうことになる。しかし、車列が走り出した直後に何者かに爆破され、阿知波と紅葉は無事だったが、爆弾が仕掛けられていた車に乗っていた関根が重傷を負い、意識不明の状態となる。大阪府警では阿知波に対する聴取が行われ、そこで皐月会に恨みを持つ人物として、かつて存在した百人一首の団体・名頃会のリーダーであった名頃鹿雄が浮上する。名頃は5年前に皐月会に挑戦状を叩きつけたが、その試合を放棄して以降は消息不明となっていた。日売テレビを含めて、これまでの被害者には名頃の得意札が添付されたメールが送られていることから、捜査本部は名頃を容疑者として捜査を進める。そして、この場で平次は紅葉にも名頃の得意札の添付されたメールが送られていることを電話で聞いて忠告するが、聞き入れられず大阪府警は紅葉の警備体制を強化する。捜査会議が終わり、大阪府警から出てきたコナンと平次は阿知波に5年前、一体何があったのかを問い詰める。意を決した阿知波は、コナンと平次に自分の部屋に来るように告げる。

大阪観光を終えた蘭は、紅葉がいる病院にパスケースを届けに行き、待合室にいた紅葉を見つけて声をかける。この時、蘭に平次と指切りをしている写真について問われた紅葉は、『瀬を早み』の句を詠み、幼いころに平次と結婚の約束を交わしたことを告白し、蘭は答えに詰まってしまう。

一方、阿知波はホテルに戻ったコナンと平次に、名頃が5年前の試合前日に皐月の家を訪ね、皐月にかるた勝負を挑み皐月が勝利したことを話す。しかしコナンは、皐月の試合がある日は必ず洗車をするという阿知波の車が、5年前の試合当日には汚いままだったことに違和感を覚える。

その夜、平次は和葉を手伝おうと部屋に行った時、蘭から小学生の時のかるた大会で負かした女の子の事を聞かれ、ようやくそれが紅葉だと思い出し、和葉に伝える。

その後、阿知波会館では大阪府警と京都府警による厳重な警備体制の下で皐月杯が開催されるが、関根が意識を取り戻したとの連絡が入り大阪府警が警備を離脱する。和葉と紅葉が順調にトーナメントを勝ち進み決勝の行われる皐月堂へ阿知波と共に向かうが、ほぼ時を同じくして敷地内の倉庫が爆発する。コナンと平次は現場へ向かい、綾小路から名頃が誤爆した可能性を伝えられるが、コナンは海江田藤伍の着けていた大きな指輪が付近の木に刺さっているのを発見する。このことからコナンと平次は、海江田がこれまでの事件の実行犯であり、真犯人によって名頃が死んだように見せかけて殺害されたと推理する。そして、阿知波にも名頃の得意札の添付されたメールが送られていることと、和葉の携帯電話にも名頃の得意札の添付されたメールが送られていたことを綾小路から聞いた途端、平次は血相を変えてコナンをバイクに乗せ皐月堂に向かう。平次とコナンは、皐月堂が最後の爆破の標的であることに気付くが、既に爆発し炎上していた。

皐月堂では、阿知波を読手として和葉と紅葉による決勝戦が行われていた。2人の試合は熾烈を極め、運命戦にまでもつれ込む。読み札が読まれ2人が札を取ろうとした瞬間、バイクに乗った平次とコナンが皐月堂に飛び込んで来て、和葉と紅葉はここで初めて皐月堂が炎上していることを知る。皐月堂の火はボール射出ベルトのボールを使ったコナンの機転により鎮火するが、この状況に疑念を抱いた紅葉が平次を問い質し、海江田が会場に入れるようにシステムを変更できるのは阿知波しかいないため、平次は阿知波に話を促す。

コナンは決勝戦用の百人一首の札を調べられると困るのではないかと阿知波に問い、札の側面に付いた黒ずみは名頃の血液で名頃を殺害した犯人の指紋ではないかと指摘する。これに観念した阿知波は、5年前の試合前日の阿知波邸での前哨戦に皐月が負け、恥を晒さないように自身の手で名頃を殺したことを自白する。これを聞いて平次とコナンは札を証拠に自首するよう勧めるが、阿知波は札を証拠にすることだけは拒否する。この様子を見たコナンは、札に付着した指紋は阿知波の物ではなく皐月の物ではないかと気付く。実は5年前の試合前日の阿知波邸での前哨戦には、阿知波の持っていたテープが読手代わりに使用されており、札の詠まれる順番をある程度覚えていた皐月にとって圧倒的に有利な条件での試合であったにも拘らず、皐月は名頃に負けてしまい、動揺して衝動的に名頃を殺害してしまったのである。その直後に帰宅した阿知波は偽装工作を施し、翌日の試合本番は皐月の不戦勝となるが、名頃に敗北を喫して殺害してしまったショックと罪悪感から、皐月は2年後に病死を遂げる。この真相を話し終えた阿知波は、皐月堂に仕掛けた爆弾を起爆しようとするが、紅葉は「試合当日には名頃は負けるつもりだったのでは」「名頃は初恋の相手である皐月にただ褒められたかっただけだった」と話し、それを聞いた阿知波は自分の愚かさに腰を抜かしながら起爆装置を床に落とす。

その後、今にも崩れそうになっている皐月堂から避難しようと試みるが、平次と和葉を残してエレベーターが落ちてしまう。エレベーターはコナンの伸縮サスペンダーでどうにか止まり、平次は和葉をバイクの後ろに乗せ、先ほど拾った爆弾の起爆装置とその爆風を利用して皐月堂から離れた滝壺まで飛び移る。

後日、紅葉には負けてしまったものの、自身の得意札である『しのぶれど』は取れたことを、和葉はホテルのエントランスで蘭に報告する。そこへ、平次に告白するために入って来た紅葉は、幼い頃「嫁に取ってやる」と平次に言われたと主張するが、当時を思い出した平次は「(札を)強めに取ってやる」と言ったのだと反論し、紅葉がブライダルカー仕様の車で去っていくところで終幕を迎える。

名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)

2018年4月13日公開 興行収入90.0億円

江戸川コナンたち少年探偵団は、阿笠博士が新たに開発した高性能ドローンの飛行テストに付き合うが、方向・速度・カメラを同時に操作する必要からリモコンの取り合いが始まったため、博士はリモコンを3つに分けようかと思案する。一方、室内では灰原哀がテレビを視聴中で、5月1日に東京サミットが開催される東京湾の統合型リゾート施設「エッジ・オブ・オーシャン」の特集や、同じ日に任務を終えて火星から帰還する大型無人探査機「はくちょう」[注 7]の話題を放送していた。コナンも合流してテレビを見始めるが、エッジ・オブ・オーシャンにある国際会議場で大規模な爆発があり、現場を警備していた警察官が数名死傷したという臨時ニュースが流れる。灰原はテレビで流れた現場の監視カメラの映像に、一瞬だけ安室透の姿があったとコナンに指摘する。コナンはテロの可能性を考えるが、爆破が各国の要人たちが集うサミット当日ではないことに疑念を抱く。

警視庁で捜査会議が開かれ、爆発は施設地下で起こったガス爆発が原因であることや、現場のガス栓はネットを通じての遠隔操作が可能な最新型であることが判明し、現場の状況から当初は事故と思われた。そこに警視庁公安部の風見裕也が現れ、事件現場の遺留品から採取された指紋が毛利小五郎のものと一致したことを報告し、一同は騒然となる。

後日、公安部による毛利探偵事務所の家宅捜索が行われ、資料やパソコンが押収されていく。小五郎本人はもちろん、コナンや毛利蘭、鈴木園子が無実を主張するも、まったく相手にされない。コナンは小五郎の潔白を証明すべく、現場に残されていた爆発物の調査を灰原と阿笠博士に依頼するなど独自に調査を開始し、高木刑事から当初は事故と見なされていたサミット会場の爆発が風見からの小五郎の指紋に関する報告を機に事件として扱われた経緯を聞く。

その翌日、押収された小五郎のパソコンから東京サミットの日程表や爆発現場の見取り図などの資料と、爆発現場のガス栓にアクセスした痕跡などの証拠が発見され、小五郎は公安から厳しく追及される。小五郎は改めて容疑を否認して任意同行を拒否するが、その際に風見の手を振り払ったことで「公務執行妨害罪」で逮捕されてしまう。コナンは公安の前に立ちはだかり、小五郎には動機がないことを主張するが、風見は小五郎を強制連行する。

公安の強引な捜査に憤りを募らせるコナンは、安室に小五郎逮捕の証拠は公安による捏造ではないかと問い詰める。安室はその答えをはぐらかし、コナンに強い口調で反論して立ち去る。今回ばかりは安室が敵となるかもしれないことにコナンは息を呑む。

蘭に救援を懇願された妃英理は、身内の弁護はできないために代わりの弁護士を探すが、被疑者が小五郎であることが災いして見つからない。国選弁護人に任せようと言う蘭の提案を、自分が口を出せないことを理由に英理は拒否する。そこに、女性弁護士の橘境子が訪ねてきて、小五郎の弁護を申し出る。公安事件を数多く担当してきたという境子に蘭は一時期待を抱くが、過去の裁判で全敗していることを聞いて不安に駆られる。

東京地検に送検されてしまった小五郎は、国際会議場爆破事件の担当となった公安部の日下部誠検事から取り調べを受けるが、ここでも容疑を全面否認する。日下部は小五郎に動機がないことや証拠の資料を見て、警視庁公安部に追加調査を依頼するよう上司で統括検事の岩井紗世子に主張するが、岩井は小五郎の起訴を急がせるだけで応じないため、日下部は独断で警視庁公安部への追加調査を要求する。追加調査を知った蘭や英理は期待するが、境子は小五郎が必ず起訴されると断言する。コナンは、小五郎の起訴を望んでいるかのような境子の言葉に疑念を抱く。

翌日、コナンは目暮警部らから情報を得るために警視庁に向かうが、そこには安室や風見の姿もあり、安室の行動にコナンは疑念を深める。一方、境子が検察の申請した証拠資料を英理のもとに持ち帰って一同に見せていたところ、裁判所から公判前整理手続の連絡が入る。実は、岩井が独断で裁判の話を進めていたのだ。

東京サミット当日、コナンたちは公判前整理手続のために裁判所に向かうが、そこで今後の公判の日程も決まってしまう。情報を得るべく、再度警視庁に向かったコナンの前にまたしても安室と風見が現れる。安室が去った後、コナンは安室が人殺しであることや、拘置所で取り調べた被疑者の男を自殺に追い込んだことがあることを風見から聞かされる。

その頃、警視庁の捜査会議ではIPアドレスを隠して複数のコンピュータを経由して標的に不正アクセスを行うソフト「Nor(ノーア)」が、現場のガス栓の遠隔操作に使用されていたことが判明した。その直後、東京サミットのために厳戒態勢下にある都内の各所であらゆる電気製品が暴発・発火し、都内は大パニックに陥る。コナンは事件の状況からIoTテロと考え、国際会議場の爆破も同じ手口で行われたと推理する。パソコン音痴の小五郎には到底不可能なことであり、テロ発生時に身柄を拘束されていた小五郎は容疑が晴れるかと思われたが、境子は時間設定による遠隔実行は可能と断じる。

しかし、この都内の同時多発IoTテロは序章にすぎず、犯人はさらなる大規模テロを目論んでいた。

その後、安室と合流したコナンは、NAZU不正アクセス事件で自殺を図った羽場の命日が1年前ということを知り、犯人の真の目的が大型無人探査機「はくちょう」のカプセルを警視庁に落とす計画であると知ったコナンは、犯人のもとへ向かう。

名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)

2019年4月12日公開 興行収入93.7億円

シンガポールのマリーナベイ・サンズにあるラウンジバーで、実業家で犯罪行動心理学者のレオン・ローが弁護士のシェリリン・タンとある取引について話し合った直後、シェリリンが何者かに刺殺され彼女の車も爆破される。爆破の影響でホテルが停電し宿泊客らがパニックに陥る中、ほぼ同時刻に1階に到着したレオンが冷静に現場保存に努める。パニックも収まり、マーク・アイダン警部補率いるシンガポール警察が予備警察官のリシ・ラマナサンと共に殺害現場に到着し調べると、そこには何故か「血まみれになった怪盗キッドのカード」が残されており、その直後にマーライオンの口から赤い水が吐き出される。

一方、日本ではシンガポールで行われる京極が出場する空手大会を観戦したいコナンが灰原にアポトキシン4869の解毒剤をくれるよう頼み込んでいたが、解毒剤を貰えずコナンは失意の内に帰宅した。そこにとある人物がコナンに忍び寄って来てコナンは警戒するものの蘭が現れ安堵するが、蘭が怪しげに微笑んだ瞬間、意識を失い、どこかへと連れ去られてしまう。気が付くとそこは何故かシンガポールで、突然の出来事にコナンは驚愕する。

その頃、シンガポールでは空手トーナメントに出場する京極を応援するため、蘭・園子・小五郎は新一と共に現地入りしていた。しかし、この新一はキッドの変装であり、本物の新一であるコナンを拉致してパスポートと装備を奪い、彼をX線を通さないスーツケースに隠して怪しまれないように不法入国していたのであった。コナンはあらかじめシンガポール人に見えるようキッドに変装を施されており、パスポートがないためキッドの助力なしでは日本に帰国できないコナンは「アーサー・ヒライ」の偽名で蘭たちと行動を共にする。京極と合流した一行は、自分のスポンサーであるシェリリンが亡くなったため招待選手である自分は大会に出場できなくなったと彼から告げられるが、園子が伯父の次郎吉に電話してスポンサーとなり再び出場できるように手配する。

その後、街で出会ったリシから「事件解決に協力して欲しい」と頼まれた小五郎は、新一の助言もあって依頼を引き受ける。リシの案内でレオン邸へ招かれた一行は、大富豪ジョンハン・チェンによって海底から引き上げられたブルーサファイア「紺青の拳(こんじょうのフィスト)」がキッドに狙われていることや、その「紺青の拳」がチェンの希望によってレオン邸の地下金庫に保管されていることを知らされ、レオンの案内により地下金庫で「紺青の拳」を見せてもらう。その夜、キッドはレオン邸へ侵入し、易々と地下金庫に潜入するが、そこにはレオンとボディガードのヘッズリ・ジャマルッディンが待ち受けており、ジャマルッディンの猛攻はかわしたものの、レオンにスタンガンを撃ち込まれ気絶してしまう。さらにレオンは地下金庫を閉じて水没させようとするが、何とか目覚めたキッドは間一髪のところで脱出し、レオン邸からの脱走も試みる。しかし、そこへレオンの誘いでレオン邸にてトレーニングをしていた京極が現れキッドは窮地に陥るが、キッドから装備を返されたコナンのキック力増強シューズによるサッカーボールの蹴りで何とか形勢を逆転させ、レオン邸からの脱走に成功する。その後、キッドはコナンを回収し、コナンをシンガポールに連れて来た理由が殺人犯の汚名返上であることを明かす。

名探偵コナン 緋色の弾丸(ひいろのだんがん)

2021年4月16日公開 興行収入76.5億円

江戸川コナンと毛利小五郎、毛利蘭と少年探偵団は、4年に1度開かれるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームス (WSG)」の東京開催を祝して催されたスポンサーたちのパーティーへ、スポンサーを務める鈴木家のコネで参加するが、会場が突然停電し非常灯が点いた時には園子の父・史郎の姿が消えていた。停電中に青白い火花を目撃したコナンは、鈴木会長はスタンガンで気絶させられ拉致されたと推測し、犯人が会長の身柄を連行するために食事を乗せていたカートを使用したため、元太が食べ物の匂いを辿って無事に会長を発見する。しかし会長には拉致される前後の記憶がなかった。

捜査にやって来た目暮たちによると、同じくWSGスポンサーである三塚製菓会社の社長の身にも同様のことが起きていたという。コナンは、15年前アメリカでも同様にWSGのスポンサーが拉致される事件が起きており、3人目の被害者は殺害され、FBIによって解決したことを知る。FBIとして事件を追う赤井秀一から捜査協力を頼まれたコナンは、WSG東京のために東京-名古屋間に建設された「真空超電導リニア」の駅がある名古屋で次の事件が起きると推理し、3人目の標的と目されるジョン・ボイドを護衛するため園子のツテを利用してリニアの体験乗車に参加することを決める。一方、MI6から密命を帯びた世良真純とメアリー・世良も、名古屋へ行く計画を立てていた。また、羽田秀吉は名古屋での仕事のついでに宮本由美をデートに誘い彼女を家族に紹介しようとしていた。コナンは、ジョンから事件の調査を頼まれた小五郎と蘭、灰原と共に名古屋を訪れ、リニアへ乗車しようとするが、乗車前の検査を受けるために集められた病院で、意図的に起こされたMRIのクエンチによって充満したヘリウムの蒸気で気を失ってしまう。目を覚ますと、気絶している間にジョンが誘拐されたことが判明し、赤井や真純と協力してジョンを無事に発見するものの、そこでWSG協会のアラン・マッケンジーも同時に誘拐されていたことが判明する。

まとめ

今回は、今まで劇場版で公開された、名探偵コナンの映画をまとめてみました。

コナン映画はストリーもしっかりしていて見応えがありますよね。

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

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